160㌔超マグロなどで活気 火災で被害の綾里漁協定置 市魚市場に今季初水揚げ(別写真あり)
令和8年5月19日付 1面
昨年の大船渡市大規模林野火災で定置網などが被害を受けた三陸町綾里の綾里漁業協同組合(和田豊太郎組合長)は18日、大入定置漁場で今季初の網起こしを行った。まずは1カ統で操業を始め、この日は160㌔を超える大物クロマグロなどを市魚市場に水揚げした。気仙の前浜における定置網の漁況が振るわない中、大火からの復興に向けて歩みを進める被災地から活気を呼び込んだ。
昨年2月の大規模林野火災で、同漁港内にある定置・作業保管施設と、施設内に保管されていた大入、願松両漁場2カ統分の定置網漁具4セットが被害を受けた同漁協。昨季は、漁に必要な道具を失った中、大入漁場は釜石市に本社を置く㈲泉澤水産から網を借りて、例年から約1カ月遅れの6月17日に初水揚げ。願松漁場は、岩泉町と野田村、北海道などから借り受けた網で8月1日から水揚げを開始した。
今季は、今月10日から乗組員らが水揚げの準備を進めてきた。同漁協では、各種支援なども活用しながら新たな網の発注や定置・作業保管施設の建設工事を進めているほか、火災で被害を受けずに残った網を修繕するなどしながら、2カ統分の網を整備する見通し。
18日はすっきりとした青空が広がり、絶好の水揚げ日和に。高く掲げた大漁旗をなびかせながら、定置網船2隻で市魚市場岸壁に接岸し、160~80㌔台のクロマグロ39本やワラサなどを水揚げした。マグロを運ぶフォークリフトが絶え間なく行き交い、場内では市場職員らが内臓を取り除く作業に追われた。黒光りする魚体がずらりと並んだ光景は圧巻で、買い受け人らが品質を確かめたり、スマートフォンで写真を撮影する姿も見られ、水揚げ初日にふさわしい活気が生まれた。
この日の魚市場は、綾里を含めた12の漁場から35㌧の水揚げがあり、マイワシとワラサは合わせて29㌧と数量がまとまった。綾里漁協のもう1カ統の願松定置漁場は、網の準備ができ次第、操業を始める見込みだが、気仙の定置網はほとんどの漁場で操業がスタートしており、これからの漁況好転に期待がかかる。
綾里漁協の定置網漁の指揮を執る千田芳孝大謀(67)は「マグロが入ることは予想していたが、これだけの量が入るとは思っていなかった。漁獲枠の問題はあるが、枠の上限いっぱいまで取れれば」と笑顔を見せ、「ワラサやサバの時期が来ている。願松漁場での操業はこれからで、クラゲが入る懸念もあるが、網に入った魚を大事に取っていきたい」と気持ちを新たにした。






