企業立地で3億円補正 市議会可決 製造業増設、飲食業進出で
令和8年5月20日付 1面
大船渡市議会臨時会は19日に議場で開かれ、企業立地推進事業の3億256万円を増額する本年度一般会計補正予算を可決した。市内の食品製造業がすでに着工している増設分と、市外の飲食・サービス業が今後着工する新設に対し、それぞれ1億5000万円の助成財源を確保。市外事業者進出には土地賃借料にも支援する。
補正予算に伴う一般会計予算の総額は、歳入歳出とも256億829万円。市内に工場を増設する企業などへの支援に要する経費や債務負担行為の補正となる。財源は財政調整基金の繰り入れとなる。
この支援は、平成15年に施行された市企業立地奨励条例の特例に関する条例に基づくもの。今回はいずれも、固定資産投資額の30%に相当し、上限は1億5000万円。5人以上の新規雇用を求める。同条例は東日本大震災後、9社が利用し、今回の2社を加えると11社となる。
質疑では複数の議員が発言し、地場企業の増設や市外企業の進出を歓迎。当局側は、現段階で具体的な企業名や場所、開業時期などを公にできない状況に理解を求めた。
また、財政調整基金を取り崩しての支援に関する考え方でも議論。伊勢徳雄商工企業課長は「震災以降、新しいまちをつくるうえでどういった店が必要かを市民らに聞き、企業側からも業を起こす場合に『核となる店が欲しい』といった声も聞いた。今後のまちのにぎわいに加え、短時間労働をあえて望む層など、多様な働き方の受け皿となり、将来につながる」と、歳出の意義を強調した。
阿部貴俊財政課長は令和7年度末の財政調整基金残高は三十数億円としたうえで「かなりの大きな支出」と答弁。その一方で「固定資産に対して10分の3までの補助金で、1社あたり投資は5億円以上が見込まれ、固定資産税収入にもなり得る。投資という意味での政策判断」と語った。
県をはじめ他の行政機関による既存の企業立地に関する補助では、今回の増設・新設には、本社所在地や業種で支援対象該当に難しい面があるという。伊勢課長は「この条例については市で定めたもの。市が単独で動き、市の特色ある事業ということでやっている」と答えた。
この日の臨時会では3月に策定した第3次市観光ビジョン策定の報告が行われたほか、市税条例の一部改正条例の先決処分も議決した。






