ふるさと納税寄付受入額 7年度は8億9043万円 歴代2位の多さに 制度改正に伴う「駆け込み」効果も
令和8年5月20日付 1面
陸前高田市の令和7年度ふるさと納税寄付実績がまとまった。金額は前年度比5201万円(6・2%)増の8億9043万円で、初めて10億円を突破した5年度に次ぐ歴代2位の受入額となった。昨年10月にふるさと納税の仲介サイトを通じたポイント還元サービスが廃止され、直前の9月に寄付が集中したことで全体額を押し上げた。返礼品は例年同様、高品質な一次産品が人気だった。市などは寄付増に向け、返礼品の充実に取り組む。(高橋 信)
7年度の月別受入額は、9月の3億347万円が最多で、前年同月から6・5倍に伸ばし、年間の34・1%を占めた。急増した背景に、総務省が制度改正し、昨年10月1日からふるさと納税の仲介サイトによるポイント付与(還元)が禁止となったことがある。これを前に各サイトが還元率引き上げなどをしたため、全国的に「駆け込み寄付」が増え、陸前高田市もその潮流に乗り、9月にピークを迎えた。
次いで多かったのが、12月の2億4096万円。7年度は、年末の傾向である駆け込み寄付が9月に前倒しされたため、前年同月と比べると38・2%減となった。単月で1億円以上を集めたのは、9月と12月のみで、このほかの月は1790万~7309万円で推移した。
市によると、返礼品は定番のカキ、リンゴ、米、ウニが人気をみせた。6年度はカキやリンゴが気候変動などの影響で不漁・不作に陥ったが、7年度は前年度よりも数量を確保できたという。
納税者が選べる寄付金の10の使い道別にみると、最も多かったのは「子ども支援」の3億5857万円(前年度比3・0%増)。以下、「市長におまかせ」2億7649万円(同110・9%増)、「産業振興、雇用創出のための事業」8155万円(同28・5%減)などと続いた。
ふるさと納税は、住んでいる自治体以外に寄付すると、税金の還付や控除が受けられる制度。生まれ育った古里などへの貢献、応援ができる仕組みとして創設された。
市は平成20年度に運用を開始。東日本大震災後の中断を経て、27年7月に受け付けを再開した。
寄付額は28年度から令和元年度まで、毎年4億円台で推移。2年度以降は毎年、過去最高を更新し、5年度は返礼品のルール厳格化に伴い、年末に加え、制度変更前の9月にも駆け込み需要があり、10億810万円まで伸ばした。
6年度は、ふるさと納税総合サイト「ふるさとチョイス」を運営する㈱トラストバンク(本社・東京都)による「ガバメントクラウドファンディング(GCF)」を利用し、給付型奨学金事業に対する寄付の受け付けも実施。目標額1600万円の2倍近くとなる3156万円を集め、同年度は通常のふるさと納税寄付と合わせ、8億3842万円となった。
市の返礼品取り扱い業務の受託会社「ふるさと陸前高田」によると、扱っている返礼品は約800種。8年度の目標額は9億円で、同社は寄付者に定期的に返礼品を届ける「定期便」の充実などに当たる。同市では水産大手のグループ社による養殖サーモンの生産が本格化しており、こうした産業と連動し、新たな目玉となる返礼品を創出できるか注目が集まる。
市商工観光課の担当者は「7年度は前年度よりも寄付を伸ばすことができて良かったが、制度改正によるものと捉えている。ふるさと納税は市の貴重な財源となる。10億円という大台の目標があり、魅力的な返礼品を用意できるよう、地元事業者らと協力していきたい」と見据える。
年度別の寄付実績は別掲。






