避難指示の対象区域変更 津波注意報・警報時  堤防整備など踏まえ6月から 注意報時の住民対象ゼロに 警報時も110人余で大幅減

 大船渡市は、津波注意報・警報に伴う避難指示の対象区域を見直し、6月1日(月)から運用する。これまでは注意報・警報の種類にかかわらず、令和4年に県が公表した最大クラスの津波浸水想定区域を対象に避難指示を出していた。見直しでは、注意報時の対象区域を海岸区域や岸壁、河川敷などにとどめ、警報時も海岸堤防がある区域は海側のみを対象とする。避難指示対象の住民は注意報時ではゼロで、警報時は110人余りと大幅に減少する。(佐藤 壮)


 今回の見直しでは、国の避難に関するガイドラインに基づく内容との整合性を図った。さらに、東日本大震災以降、海岸沿いに防潮堤をはじめとした堤防施設や陸閘の自動閉鎖システムといったハード施設が整備され、確実に稼働している状況も踏まえた。
 6月1日からは、津波注意報は海岸にある堤防などから海側の区域や岸壁、海岸付近に加え、盛川河川敷が対象。警報時も海岸堤防よりも外側に位置する海側区域に加え、海岸堤防がない場所では県が公表している最大の津波浸水想定区域が対象となる。
 先月20日、三陸沖を震源とする大地震に伴い津波警報が発令された際には、市内では猪川、立根、日頃市各町を除く2835世帯6138人に避難指示が出された。昨年12月に津波注意報が出された際にも、同じ住民に避難を呼びかけた。
 この発令は、いずれも県が令和4年3月に示した最大クラスの津波浸水想定区域に該当する地域住民が対象。想定は、震災時の浸水域よりも広範に及んでいる。
 新たな運用では、注意報時の住民対象はゼロに。警報時も現段階で116人と大幅に減少する。一方、対象区域には港湾や漁業関係施設があり、従事する関係者の迅速な避難行動は欠かせない。
 注意報・警報発令時に各地の陸閘が自動的に閉鎖されるタイミングも変わらない。大津波警報が出された場合は、これまで通り最大クラスの津波浸水想定区域に避難指示が出され、6000人余りが対象となる。
 また、津波注意報・警報時には市全体として警戒態勢をとるとともに、市災害対策本部地区本部となる施設などで避難者を受け入れる。総務部危機防災対策課の伊藤晴喜課長は「できるだけ市民らに分かりやすいよう見直しを進めた。対象地域に該当しなくても、不安を感じる方は早めに避難行動をとってほしい」と話す。
 各地域の避難指示対象区域をまとめた図面は市ホームページに掲示しているほか、市役所やリアスホールなどでも閲覧できる。来月には、各家庭に避難マップ図面の配布も計画している。
 図面には、これまで地区単位でワークショップを開催し、住民から寄せられた意見を反映。盛町・猪川町の図面では「急斜面」「国道の横断が困難」「倒木の危険」「ブロック塀」「避難実績はあるが、孤立する可能性」など、避難時に注意すべき情報も盛り込んでいる。
 避難指示の対象区域は別掲。