教育旅行民泊 気仙3市町に広域化 NPO法人のSETが展開 本年度受け入れ始まる
令和8年5月22日付 1面
陸前高田市の認定NPO法人SET(三井俊介理事長)は、市内をメインとしてきた教育旅行の民泊受け入れについて、本年度から大船渡市、住田町を含む気仙3市町に拡大して展開している。初回の受け入れが21日に行われ、宮城県の中学生約280人が3市町の民家に分かれて1泊した。本年度は春季に中高4校約620人、秋季に8校約1680人が教育旅行で訪れる予定。SETは市域から気仙圏域に民泊エリアを広げることで、受け入れ家庭の負担分散や交流人口増を図ることとし、住民らに民泊の魅力を伝えながら協力を呼びかけていく。(高橋 信)
本年度1回目となる民泊事業の参加生徒と受け入れ家庭の対面式は、21日に高田町の夢アリーナたかたで行われた。緊張した面持ちの生徒たちが会場入りすると、住民らは「気仙民泊へ、はまってけらっせ」と声を合わせ、歓迎した。
受け入れ家庭代表の武藏裕子さん(65)=小友町=が「各家庭の方々とたくさん話してほしい。そうすれば自然と不安もなくなると思う。お別れ式で皆さん笑顔で会いましょう」と呼びかけた。
今回民泊に協力するのは、大船渡市4軒、陸前高田市65軒、住田町5軒の計74軒。式後、生徒と住民たちは和やかにあいさつし、自己紹介を済ませたあと、家庭ごとに移動した。
大船渡市三陸町越喜来の中野勇喜さん(77)は「初めてなので分からないことも多いが、自分なりに交流できれば」と話した。
住田町世田米の60代の女性は「中学生は日本の将来の宝。生徒たちが今どのようなことに興味があるのかなど、さまざまなことを聞いてみたい」と意欲を語った。
一般家庭が旅行客を受け入れる「民泊」。陸前高田市では平成28年度から、教育旅行の生徒らを対象に本格的に行われており、SETが学校と家庭を結ぶ窓口を担っている。
生徒たちは数人単位で各家庭に分かれ、宿泊する。東日本大震災の教訓、防災・減災の学習だけでなく、田舎ならではの素朴な生活や住民との交流が好評で、令和7年度は9校約1500人が利用した。
一方で、高齢化、人口減を背景に受け入れ家庭の確保が課題となっており、SETは本年度、大船渡市のガルフ㈱(中野圭代表取締役)、住田町のすみた民泊協会(紺野昭雄会長)と連携し、受け入れ家庭の拡大に踏み切った。9~11月の秋季は民泊を利用する8校のうち、200人を超える学校が4校あり、受け入れ体制を強化するため、大船渡市、住田町内で協力可能な家庭を随時募る。
三井理事長(37)は「まず『気仙民泊』の一歩を踏み出せて大変うれしく思う。民泊に携わることで地域も元気になる。今回をきっかけに、受け入れに協力してもらえる家庭が増えるよう、われわれもさらに地域に入っていきたい」と力を込めた。
問い合わせや民泊登録の申し込みは、大船渡市、陸前高田市内の人はSET(℡070・2021・6390)、住田町内の人は町観光協会(℡46・2111)へ。






