民泊受け入れ 通算100回 蒲生由美子さん 中高生との交流にやりがい
令和8年5月23日付 7面
陸前高田市広田町の蒲生由美子さん(67)は、教育旅行の中高生らを自宅に泊める「民泊」の受け入れが通算100回に達した。当初は誘致に当たる地元NPOの力になろうと受け入れに協力してきたが、田舎暮らしに目を輝かせる生徒との交流や受け入れ家庭同士のつながりにやりがいを感じ、次第に積極的に取り組むようになった。一期一会を大切にしながら、積み上げてきた100回で合計405人の中高生を迎え入れた。「『頑張ったな』と自分で自分を褒めてあげたい」と達成感に浸る。(高橋 信)
蒲生さん宅で21日夜、ささやかなお祝い会が開かれた。この日、宮城県の中学生6人が宿泊し、受け入れは100回目。蒲生さんは記念のデコレーションケーキを用意し、夫の和男さん(68)、同居する長女夫婦、孫3人に中学生を加えた計13人でケーキを食べながら節目を祝った。
今回の民泊体験は1泊で、生徒たちは22日朝に陸前高田市をたった。終了後、生徒と家庭を結ぶ窓口を担う認定NPO法人SET(三井俊介理事長)のスタッフから花束を渡されたといい、「無事終わりほっとしていたときに、思わぬプレゼントをいただき、大感激でした」と喜んだ。
同市では平成28年度、民泊プログラムを組み込んだ教育旅行の受け入れが本格的に始まった。
蒲生さんは本格化を前にした26年、初めて受け入れに協力した。民泊事業を構想していたSETから頼まれたのがきっかけで、「はじめは、どんなことをすればいいのか全く分からなかった。でもSETの若い子たちが一生懸命だったので、少しでも力になれればぐらいの感覚で始めた」と振り返る。
民泊する生徒たちには、自宅近くの漁港を案内したり、家庭菜園を手伝ってもらったりと、特別なおもてなしをせずに、ありのままの生活に触れさせてきた。素朴な田舎暮らしを純粋に楽しむ姿を何度も目の当たりにし、自身もそれまで見落としていた地元の魅力を再認識するようになった。
生徒たちに手作りの郷土料理を振る舞えば、笑顔でおかわりを要求され、受け入れのたびに孫3人も大喜びで歓迎する。受け入れ家庭同士の交流も生まれた。気付かぬうちにやりがいを見いだし、多い年で20回以上、自宅に迎え入れるようになった。
1回目から欠かさずファイルにまとめた受け入れの記録は、年を重ねるごとに増えた。その数が100回に到達し、「民泊に関わるまでは、自分はちっぽけな人間だと思っていた。そんな自分でも『やればできるんだ』と思わせてくれる機会を与えてもらった。協力を惜しまなかった家族にも感謝している」と語る。
SETが仲介する本年度の民泊教育旅行は中高12校で、2000人を超える生徒が同市を訪れる。蒲生さんは「受け入れは大変だが、やはり楽しい。いつまで協力できるかは正直分からないが、これからは家族と相談しながらマイペースで関わることができればと思う」と話す。






