緊張感持ち連携確認 クマ出没を想定 市が緊急銃猟実地訓練

▲ 緊急銃猟の実地訓練で模擬銃を構える捕獲班役

 陸前高田市は22日、横田町内でツキノワグマの出没を想定した緊急銃猟の実地訓練を行った。昨年11月に続き2回目の実施。県内外でクマに襲われたとみられる人身被害が相次いでおり、関係機関が危機感を持ちながら緊急銃猟の流れや連携を確認した。
 高田猟友会、大船渡警察署高田幹部交番、県大船渡保健福祉環境センター、市の関係者合わせて約20人が参加。川の駅よこたそばの気仙川の中州に、クマ1頭が居座っているとの想定で実施した。
 参加者は現地本部、捕獲、監視、通行制限、避難誘導の役割に分かれ、手順ごとに一つずつ区切って動きを確認。緊急銃猟の実施条件を満たしているかチェックリストで丁寧に確かめたあと、捕獲班のハンター役が川沿いに移動し、模擬銃を構えた。
 緊急銃猟制度は改正鳥獣保護法の施行を受け、昨年9月に導入された。▽人の日常生活圏に侵入▽緊急な対応が必要▽銃猟以外では迅速な捕獲が困難▽住民らに危害が及ぶおそれがない──の四つの条件を満たした場合、市町村長の判断でクマなどに発砲できる。
 陸前高田市によると、市内におけるクマ目撃情報は令和5年度37件、6年度26件、7年度60件。人身被害はいずれの年もなかった。
 7年度は9~11月の出没が42件と集中しており、6年度の9、10月ゼロ、11月3件から激増した。11月初旬には竹駒町内で、果樹に引き寄せられたとみられるクマがたびたび目撃され、市は同月下旬、同町で緊急銃猟の実地訓練を初めて実施した。
 本年度の目撃情報は、18日時点で6件。町別では横田町の3件が最多となり、市はこうした出没状況を踏まえ、今回の訓練地を同町に決めた。
 県内では本年度、クマによる人身被害が相次ぎ、これまでに2人が亡くなっている。西和賀町で20日、クマに襲われた可能性が高い男性の遺体が発見され、この事案を含めると3人となる。
 市農林水産部の佐々木学部長は「県内では痛ましい人身死亡事故が発生し、本市でもいつ重大な被害が発生してもおかしくないという強い危機感を持っている。訓練を通じ、現場での動きを具体的に検証していきたい」と気を引き締めた。