大船渡高に「単位制」導入へ 理系人材の育成、難関大進学に対応 令和9年度入学生から 県沿岸部では初めて

▲ 令和9年度入学生から単位制が導入される県立大船渡高校

 県教育委員会は26日、大船渡市の県立大船渡高校・普通科(1学年4学級)に令和9年度入学生から単位制を導入すると発表した。県沿岸部の県立高校・普通科で単位制が導入されるのは、同校が初めて。同校では理系人材の育成に重点を置き、2年次から生徒一人一人の興味・関心や難関大学への進学といった進路希望に応じて学ぶ科目を選択できる。現在の学年制に比べて配置される教員数も増えることから、地域における学習環境の充実、人材育成などへの効果も期待される。(三浦佳恵)

 

 県教委は、生徒の可能性や能力を最大限に伸ばすため、各県立高校の特色化・魅力化を図ろうと「いわての高校魅力化グランドデザインfor2031」に基づき、7年度から県立高校の普通科に単位制を導入している。
 同年度は盛岡第三(盛岡地区)と南昌みらい(同)、本年度は盛岡第一(同)と花巻北(中部地区)で単位制がスタート。9年度は大船渡と福岡(県北地区)が対象となり、県立高の普通科としては初めて沿岸、県北部でも取り入れられる。
 大船渡は、理系人材の育成や難関大学への進学などに対応する単位制を導入。来年度の入学生から対象となり、進路希望や興味・関心に応じて選択できる科目の開講を予定。1年次は共通の科目を、2年次からは進路希望に応じたコース、科目を選んで学習する。
 総合的な探究の時間(大船渡学)やホームルームの時間はこれまで通り設定。具体的な学習内容は今後、同校や県教委などで調整を図る。
 単位制の導入により、現在の学年制に比べて教員の配置数が増加。県教委によると、4月1日現在の同校の教員数は30人で、現在の1学年4学級規模であれば最大6人まで加配できるという。
 気仙ではこれまで、県央部などの進学校に進むため、高校進学を機に地元を離れる生徒が一定数おり、地域からは県立高校教育のさらなる充実を求める声が出ていた。
 気仙3市町や釜石市、大槌町からなる沿岸南部地区は昨年10月と今年2月、県教委が示した「第3期県立高校再編計画」に対する要望活動を実施。この中では、募集停止の方針が示された高田・海洋システム科と大船渡東・食物文化科の存続と併せ、同地区内の県立高校に「医療人材育成(医学部等進学)コースを設置すること」を記載していた。
 また、7年度に行われた同計画に関する県民との意見交換の場でも、地域内での医師不足を踏まえて医療人材を育む必要性や、大船渡高への単位制導入を求める声が上がっていた。同校への単位制導入は、こうした地域の要望にも対応した形となり、気仙をはじめとする沿岸南部地区や周辺地域の子どもたちの学習環境の充実にもつながるとみられる。
 県教委高校改革課の田山健太郎課長は「今までは県央部の普通科を中心に単位制を導入してきたが、沿岸部や県北部でも取り入れることで、全県的に生徒一人一人の志望に応じた幅広い進路選択と、多様な進路の実現が図れるようになる。県教委としても教育活動を一層充実させていきたい」と話している。