アワビ種苗の出荷スタート 県栽培漁業協会 水温低下で2週間ほど遅く(別写真あり)
令和8年5月29日付 2面
大船渡市末崎町の一般社団法人・県栽培漁業協会(山崎義広会長)は28日、飼育しているアワビ種苗を今季初出荷した。初日は山田町の船越湾漁協と三陸やまだ漁協に計13万8000個を出荷。本年度は、海水温の低下によって昨季よりも出荷時期に遅れが見られる中、県内の漁協に9月までに約330万個の出荷を計画している。
この日は、午前8時ごろから職員ら約20人が作業。深緑色の稚貝を水槽から網ですくって袋に入れてまとめ、計数後、箱詰めして、運搬用のトラックに積み込んだ。
本年度供給する種苗は、令和6年秋に県内の漁場から親貝を採捕し、7年春に採卵したもの。放流用種苗は殻長25㍉で、一部の漁協には養殖用も供給している。海水温の目安の10度を超えると放流時期を迎え、漁場によって成長速度にばらつきがあるが、放流から漁獲可能となる殻長9㌢以上になるまでは3~5年を要する見込み。
種苗を供給するのは、大船渡市漁協や綾里、越喜来、吉浜各漁協をはじめ県内18漁協で、広田湾、重茂、田老町各漁協など独自に生産放流している漁協は除く。
協会施設内での種苗生産には、くみ上げた海水を使用しているが、本年度は冬期間の水温が6度台まで下がるなど、例年よりも低かったため、アワビの活性、活動が鈍り、昨年と比べて出荷時期が2週間ほど遅くなった。その影響で、今年採卵した種苗を飼育水槽に入れる作業も後ろ倒しとなっており、協会職員らは気をもむ。
出荷作業を見守った同協会の山口浩史専務理事は「種苗生産から各漁協の浜で放流し、天然の海で育ててもらうことで、漁獲量や資源量の増加につながれば。今年の冬の水温が低く、アワビの活力が落ちて飼育が大変だったが、何とか水温も戻り、例年通り丈夫で肥えたアワビができた」と振り返り、「逆に、水温が低下したことで海底に海藻がたくさん生えているとも聞くので、餌の残る夏前までに放流してもらい、大きく成長することを願う。岩手は日本一アワビが取れる県。皆さんにおいしいアワビを食べていただければ」と期待を込めた。
今後は受け入れ漁協の要望に合わせて順次供給し、9月ごろまで出荷を行う。





