「伝える」重要性も発信 市立博物館 きょうから災害テーマに特別陳列展

▲ 6月21日まで特別陳列展を開催

 大船渡市立博物館(伊藤喜久雄館長)による特別陳列「ともに災害と向き合う~明治三陸地震津波から大規模林野火災まで~」は30日から同館で開かれる。明治29(1896)年の明治三陸地震津波から130年を迎える節目に合わせ、当時の惨状を伝える報道や刊行物を紹介。東日本大震災から15年の変化が分かる定点写真や、昨年発生した大規模林野火災時の消火活動などに関するパネル展示もあり、来館を広く呼びかけている。
 幾多の津波や火災を乗り越えてきた地域の歩みを振り返り、歴史に対する関心の喚起や、防災意識の向上を図ろうと開催。市防災学習ネットワーク運営協議会と、三陸ジオパーク推進協議会が協力する。
 明治29年6月15日に襲った明治三陸地震津波に関しては、大津波によって家屋や人々が流される光景を描いた、多色刷りの木版画である錦絵を紹介。
 さらに、一面すべてが津波関連の報道で埋められた同月21日発行の「東京朝日新聞」、津波に関する特集を組む雑誌なども展示している。
 さまざまな印刷物を通じて、当時の惨状が国民の一大関心事として広がっていったことを知ることができる。
 阪神・淡路大震災や東日本大震災でも連日各メディアが大きな紙・誌面や時間を割いて報道を続け、地域の枠を超えて支援の輪が広がった中、その先駆けとも言える展示物が並ぶ。
 同館の村田匠係長は「明治に入って近代化が進んだ流れもあり、明治三陸大津波は日本全体の災害として、広く国民に情報共有されていった。国を挙げての復興施策の策定や、全国各地から寄せられる義援金にもつながったのではないか」と語る。
 東日本大震災関連では、甚大な被害を受けた大船渡町の中心市街地と三陸町越喜来の旧越喜来小校舎付近で発災年の平成23年、同28年、令和3年、同8年と5年ごとに撮影した定点写真を展示。
 大規模林野火災は、本災の1週間前に三陸町田浜下地内で発生した林野火災の様子や、昼夜を問わず消防や自衛隊の関係者が懸命に消火活動にあたる写真など30枚超を掲示する。
 展示期間は6月21日(日)までで、関連事業として、14日(日)午前10時から博物館講座「過去から学ぶ三陸地震津波」を同館多目的ホールで開催。東京学芸大学の里嘉千茂名誉教授を講師として招き、過去に三陸で発生した津波と地震のメカニズムなどについて学ぶ。
 講座の参加費は入館料も含めて無料。申し込み、問い合わせは同館(℡29・2161)へ。