仮住まい2年目 思い多様 住宅再建支援で個別相談会 大規模林野火災 前年度から参加者大幅増
令和8年5月31日付 1面
大船渡市大規模林野火災の被災世帯を対象とした、市と県、住宅金融支援機構東北支店による住宅再建支援個別相談会が29、30の両日、盛町の市役所と三陸町綾里の綾姫ホールで開かれた。令和7年度開催の相談会よりも、参加者が大幅に増加。仮設住宅入居から1年が過ぎ、原則2年となっている利用期間の折り返しを過ぎた中、被災者らは各種補助制度の活用に向けた相談に加え、被災した危険木撤去の手続きなど、住宅再建へのさまざまな思いや悩みを打ち明けた。相談会は6、7月にも開催される。(佐藤 壮)
大規模林野火災に伴い整備された仮設住宅は、昨年5月に入居が始まった。原則2年間となっている入居期限まで残り1年を切った中、相談会は被災者の自力再建に関する個別相談に対応しようと企画された。
前年度は昨年11月~今年2月に開催し、市役所では3回で計9世帯13人が来訪。綾里仮設住宅談話室では2回で計7世帯7人、綾姫ホールは1回開催し、5世帯6人が訪れた。
市は本年度、開催に先立ち、建設型仮設住宅入居者をはじめとした約50世帯に対して個別に連絡を取り、開催を周知。市役所で開催した29日夜には、これまでで最多となる12世帯17人が来庁したほか、綾姫ホールでも開始1時間で5世帯6人が訪れた。
前年度と同様、公的支援制度に関しては県と市、災害復興住宅融資は住宅金融支援機構東北支店、建築一般は県建築士事務所協会気仙支部、法律相談は大船渡よりそい・みらいネットが応じた。さらにファイナンシャル・プランナーも入り、いずれも個別に対応した。
今回は公営住宅に関する相談コーナーを新たに設け、市職員らが対応にあたった。事前周知の段階で、公営住宅の入居条件や現在暮らす公営住宅の継続利用希望に関する問い合わせが多かった状況を踏まえた。
大規模林野火災からの復旧・復興に向け、市は本年度に入り、建築工事の支援制度として新たに「林野火災被災木材利用促進事業」を立ち上げた。補助額は使用量1立方㍍につき2万5000円。1申請当たりの上限は、建築物の所在地が市内の場合は100万円で、申請は工事着手の14日前までに行う。会場での配布資料に概要をまとめたほか、個別相談でも説明した。
赤崎町外口地域で被災し、建設型仮設住宅に暮らす住民は、相談後に「被災木材利用の制度を知ったが、他の補助金と併用できるのかなどが気になっていた」と話した。火災前の自宅は土砂災害特別警戒区域に位置していたため、新たに再建用の土地を確保したといい「補助金を有効に活用し、少しでも自己負担を抑えたい」とも語った。
このほか、「家を建てようと思っている場所の近くに、被災危険木がある。補助金で撤去したい」と、市役所に出向いた家族も。「まだ再建は決めていないが、相談会があるというので来た」との声も聞かれた。
本年度に入り、中東情勢の緊迫化を受けて建設資材の安定供給に懸念が広がる中、2日間とも工期や建築価格への影響が話題に上った。相談対応にあたった県建築士事務所協会気仙支部の古座勝利支部長は「影響が出始めているので、早め早めに手を打つことが重要」とし、6月以降の積極的な相談会参加に期待を寄せる。
市住宅管理課の三浦寛基課長も「相談会を通じ、早めに住民の皆さんの不安や悩みを解決したい」と話している。
6月の相談会は19日(金)午後7時~9時に市役所で、20日(土)午前9時~正午に綾里仮設住宅談話室で開催。7月は17日(金)午後7時~9時に市役所、18日(土)午前9時~正午に綾姫ホールで開かれる。
いずれも申し込みは不要。問い合わせは市住宅管理課(℡27・3111内線321)へ。





