独特の感性で描く「三面椿」 画家・田﨑さん(陸前高田)が市に絵画寄贈 きょうからリアスホールで展示(別写真あり)
令和8年6月3日付 7面
陸前高田市横田町の画家・田﨑飛鳥さん(44)は2日、大船渡市末崎町の県指定天然記念物「大船渡の三面椿」を題材にしたアクリル画を同市に寄贈した。3月中旬に同市で開催された全国椿サミット大船渡大会(実行委、市主催)主会場のリアスホールで展示されたもので、3日から再び同ホールに置かれる。大阪・関西万博に飾られた巨大壁画を手がけるなど、アートの世界で活躍する画伯の力作を市民らが気軽に鑑賞できることとなり、市関係者が田﨑さんの善意に感謝した。(高橋 信)
寄贈式は市役所で行われ、田﨑さん、田﨑さんの両親、渕上清市長、藤枝修副市長、佐々木義和協働まちづくり部長らが出席。田﨑さんが市長に作品を手渡した。
作品名は「三面椿」。縦91㌢、横73㌢のF30号サイズで、昨年制作に着手し、約1カ月かけて完成させた。木の幹を緑色やオレンジ色で表現するなど、田﨑さんの真骨頂である独特の色使いが楽しめる。
生まれつき脳性まひで、知的障害がある田﨑さん。彫金作家の父・實さん(79)からの勧めで絵を描き始め、色を塗り重ねた鮮やかな色彩の絵画は県内美術展で入賞するなど評価された。その後「障害×アート」を軸に事業展開する盛岡市の㈱ヘラルボニーの契約作家として活躍の場を広げ、昨年の万博では田﨑さんの絵画が原画となった縦8・3㍍、横12・8㍍の壁面アートが展示された。
大船渡市との縁は昨年8月、大船渡港に寄港する予定だった国内最大級のクルーズ客船「飛鳥Ⅲ」(5万2265㌧)の運航会社に記念品を贈るため、市から絵画の制作依頼を受けたのがきっかけで生まれた。寄港は台風の影響で中止となり、絵画の寄贈も一度見送られたが、市担当者の熱意で翌9月、同社への贈呈がかなった。
全国椿サミット大船渡大会は今年3月14、15日に開かれ、全国から約1000人が参加。多彩な関連イベントのメイン会場となったリアスホールには田﨑さんの「三面椿」も飾られた。
大船渡市での同サミット開催は、平成12年以来26年ぶり2回目。もともと平成23年を予定していたが、東日本大震災が発生したため中止となり、次に令和4年の開催が計画されたものの、今度は新型コロナウイルス禍の影響で中止を余儀なくされた。
関係者にとって〝三度目の正直〟といえる悲願の大船渡大会が今年ようやく実施に至り、田﨑さんは飛鳥Ⅲや椿サミットを通じて得た大船渡市とのつながりを記念し、市に絵画を寄贈することとした。
渕上市長は「三面椿を力強い絵にして残していただき、とてもありがたい。これからも創作に励んでほしいし、活躍を心から応援している」と語った。
實さんは「大船渡市の方々ともつながりが生まれ、飛鳥の可能性がまた広がった。作品はありのままに、心で見て楽しんでほしい」と期待を込める。
作品はリアスホール2階に展示される予定。






