林野火災注意報52日・警報21日 運用1年目1~5月の市内発令状況 引き続き発生予防に注力

 昨年2月の大船渡市大規模林野火災を教訓に創設された、林野火災注意報・警報。1年目の運用期間が、先月末で終了した。同市内の今年1~5月における該当日数の合計は、注意報が52日、警報が21日(いずれも切り替え含む)で、特に1月下旬~2月中旬に多かった。6月以降も、気象状況に応じて火災警報が発令される見込み。気仙の消防関係機関では、引き続き火災予防に力を入れる。(佐藤 壮)


 運用開始後における大船渡市内の発令状況は別掲の通り。期間中、1日の中で注意報から警報に切り替わった日もある。
 注意報は「前3日間の合計降水量が1㍉以下で、前30日間の合計降水量が30㍉以下」「前3日間の合計降水量が1㍉以下で、乾燥注意報が発表」のいずれかに該当する場合に発令。注意報の発令指標に加え、強風注意報が出ている場合は警報となる。
 発令回数は注意報が21回で、警報が15回。日をまたいで続く期間もあり、日数でみると、1月は注意報13日・警報7日、2月は注意報22日・警報10日、3月は注意報12日・警報1日、4月は注意報4日・警報3日、5月は注意報1日・警報がゼロだった。
 今年1~5月の総計は、注意報52日・警報21日。昨年8月に消防庁と林野庁による「大船渡市林野火災を踏まえた消防防災対策のあり方に関する検討会」が取りまとめた資料によると、注意報・警報創設前の令和4~6年に発令がなされていたと仮定した場合、基準に該当する同市内の平均日数は、注意報52日・警報15日だった。
 特に今年は1月下旬~2月中旬に注意報の日が続き、強風に伴い警報に切り替わる日が多かった。この間、過去30日間の合計降水量が10㍉を切り、まとまった降雨もなかった。また、大槌町で大規模な林野火災が発生した4月下旬は、市内でも注意報・警報に該当する日が続いた。
 林野火災は降水量が少ない状態で、落ち葉など林床可燃物が乾燥すると発生しやすい状況になる。さらに、その状況が長く続くと延焼しやすく、より危険性が高まる。
 昨年、同検討会が林野火災注意報・警報の制度創設や的確な発令を提言。今年から大船渡市だけでなく、陸前高田市や住田町をはじめ全国各自治体に出されるようになった。警報発令では、大船渡市は海上の強風注意報も対象とするが、陸上のみを条件とする自治体もあり、同じ岩手沿岸部でも発令のタイミングには差が見られた。
 大船渡市と住田町を管轄する大船渡地区消防本部では、毎日午前5時の気象情報などをもとに発令を判断し、発令時には防災行政無線や各行政のSNS、さらに消防車両での巡回などで周知、広報にあたり、消防施設では懸垂幕の設置も行われた。大船渡市が該当日の場合でも、住田町では降雪で過去3日間の合計降水量が1㍉を上回ったため、発令が見送られた日があった。
 注意報時における火の使用制限は努力義務だが、警報時は消防法に基づき、30万円以下の罰金または勾留の罰則がある。本部管内では今年、罰則の該当はなかった。
 同組合管内では5月9日、火災警報も発令された。平成以降では今回が初という。同組合では、強風・乾燥をはじめとした気象予報に基づき、火災警報も迅速に発令するよう準備してきた。
 発令基準は▽実効湿度60%以下で、最低湿度40%を下回り、最大風速10㍍以上の風が2時間以上吹くと予想される▽平均風速10㍍以上の風が1時間以上続く見込み(降雨、降雪時は除く)──などで、規則では「必要があると認めた時に発令するもの」としている。
 林野火災注意報・警報は林野火災に限定し、発令時期は1~5月なのに対して、火災警報は建物火災も含む火災全般が対象で、通年で運用する。発令時には屋外での火の使用を制限し、罰則も設けている。使用制限には▽山林、原野で火入れをしない▽屋外で火遊び、たき火をしない▽山林、原野などで喫煙しない──などがある。