市、誘因物の管理呼びかけ クマ目撃増受け 5月出没15件で4月の約4倍

▲ 市がクマ対策の一環で導入した箱わな

 大船渡市は、市内でツキノワグマの出没が相次いでいる事態を受け、注意を呼びかけている。本年度、出没通報を受けた件数は5月末時点で19件(前年同期比4件減)。月別では5月が15件と4月の約4倍に急増した。平時は地区別に限定して流している防災行政無線の出没情報について、現在、臨時的に市全域に拡大して放送している。クマを引きつけるクワの実が熟す時期にも入り、市担当者は誘因物の管理、木の伐採などを呼びかけている。(高橋 信)

 

 市によると、本年度は4月に4件、5月に15件の通報を受けた。町・地区別では、立根町と日頃市町の各4件が最多で、以下、赤崎町、末崎町の各3件などと続いている。人的被害はない。
 市は3月、クマ専用の箱わな2基を追加で導入。既存の3基、クマとイノシシ兼用の2基を含めて合計7基となり、目撃情報が多いエリアなどで捕獲を試みる際に活用している。
 5月18日からは通報が増えてきたことを踏まえ、防災行政無線による出没情報の市全域放送を実施。昨年11月から12月にかけて実施した措置で、出没件数自体は前年同期より少ないものの、県がクマの出没に関する警報を県全域に発表しており、県内で人身被害も発生している事態などを考慮した。全域放送の対応は、少なくとも県による警報発表期間中は続ける。
 市は公式LINE(ライン)も活用し、注意を喚起している。受信設定のうち「クマの出没情報」は、「市内すべて」だけでなく、各地区単位で受信するかどうかも選択でき、市民の活用を促す。
 本年度からは県提供のクマ出没情報共有アプリ「Bears(ベアーズ)」の活用も強化。通報を受けるたびに、市担当者が同アプリに投稿しており、「市民がベアーズに投稿した際も、必ず市や警察への通報をセットで行ってほしい」と協力を求めている。
 県内では今年1月から3月までの出没件数が197件となり、過去5年間の同期間平均(33件)の約6倍となった。県は4月下旬、クマ出没に関する「注意報」を「警報」に切り替え、警戒を強化。しかし、本年度はすでにクマによる被害で2人が亡くなり、5月20日には西和賀町でクマに襲われた可能性が高い男性の遺体が発見され、この事案を含めると3人となる。
 市などは▽生ごみや廃棄野菜の適切な管理▽自宅や倉庫の施錠徹底▽やぶの刈り払い▽庭仕事や農地での作業時にラジオなどで音を出して人の存在をアピールする──といった対策を呼びかけている。
 市農林課の新沼裕一課長は「6月になり、クマへの警戒がさらに必要な期間に入った。市民一人一人が安全に気をつけてほしいし、クマを誘引する要因であるクワの木の伐採など対策をお願いしたい」と呼びかける。
 クマ出没などに関する問い合わせは、同課林業係(℡27・3111内線353)へ。