森林再生支援など求める 国・県への要望案まとめ 警報時等の陸こう運用基準統一化を新規追加 市が市議会全員協議会で示す
令和8年6月4日付 1面
大船渡市は、令和9年度予算にかかる国、県への要望事項案をまとめ、3日に開かれた市議会全員協議会で示した。対国は前年度比1減の12項目、対県は同2増の18項目で、それぞれに大規模林野火災の森林再生支援策拡充や国際リニアコライダー(ILC)実現などを求める。対県要望の項目には、津波警報・注意報発表時における陸こう運用基準の統一化や、県立大船渡東高校食物文化科の存続などを新たに盛り込んだ。(高橋 信)
国、県への要望事項のうち、ともに一つ目に掲げるのは「大規模林野火災にかかる森林再生支援策の拡充等」。7年度に着手した森林災害復旧事業について、4年間での事業完了が困難であり、市の財政負担増も懸念されることから、復旧事業期間の延長など柔軟な運用、財政支援措置を求める。
さらに、県に対しては森林再生の基盤として重要な森林管理道甫嶺線の早期完成のほか、市が手がける被災木の伐採・処理費用の補助事業に対する財政支援を加えた。
「ILCの実現」も対国、対県要望それぞれに盛り込んだ。具体的には▽ILC計画に関する国際的な議論の推進▽必要な予算措置▽ILC計画を国の科学技術の進展や産業・情報・技術ネットワークの形成、成長戦略、地方創生などの柱に位置づける──の3点を求めていく。
対県要望のうち新規は▽老人福祉施設等の整備にかかる費用への支援▽津波警報等発表時の陸こう運用基準の統一とその周知等▽県立大船渡東高食物文化科の存続──の3項目。
このうち、「老人福祉施設等の整備費支援」に関しては、事業者から支援制度の拡大・拡充を求める声が聞かれることを踏まえ、補助制度の新設や対象要件の拡充などを記載した。
「陸こうの運用基準の統一と周知」は津波警報、注意報発表時に陸こうが閉まり、通行できなくなることや、自治体によって開放時の運用に差異があることから、要望事項に加えた。▽統一した基準下での運用、遠地津波発生時の弾力的な開閉基準の検討▽閉鎖時の避難に関する周知、外国人にも配慮した表示──といった点を掲げた。
「大船渡東高食物文化科の存続」を巡っては、県教委の第3期県立高再編計画(令和8~17年度)で、12年度に同科の募集を停止する方向性が示されたことから、存続を求めていく。要望内容の中では、民間団体が1万5000人超から署名を集めたほか、8年度の同科入学者数が前年度比約5割増となったことなどの動向も紹介している。
市による国、県への要望は、次年度予算編成作業を前に、市が抱える諸課題の解決に向けた予算配分や事業実施を求めるため毎年実施している。
市は同日の市議会全員協議会における議論を踏まえ、要望内容の検討を深める。要望書は7月上旬から下旬にかけて国の関係省庁・機関へ、8月下旬に県への提出を予定している。
要望事項案は別掲の通り。






