8日にサーモン初水揚げ 越喜来漁協が試験養殖 ニッスイグループ社と実施
令和8年6月5日付 7面
大船渡市三陸町越喜来の越喜来漁業協同組合(舩砥秀市組合長)と㈱ニッスイサーモン(本社・鳥取県境港市、鶴岡比呂志代表取締役社長)は8日(月)、昨年11月から越喜来湾で試験的に海面養殖しているサーモンを初水揚げする。試験1年目の今季は約10㌧の水揚げを計画し、初日は約5㌧を見込む。関係者は2年間の試験期間で周辺環境、既存漁業への影響などを調査し、令和9年冬からの本格展開を目指す。(高橋 信)

振る舞われたサーモンの刺し身
水揚げ作業は越喜来漁港で実施する。魚種はトラウトサーモンで、一部は大船渡町の市魚市場に出荷する。今季分の残りは、11日(木)に水揚げする予定。
初水揚げを前にした2日、市魚市場でトラウトサーモンの試食会があり、市内の漁協や県漁業士会大船渡支部、県などの関係者約20人に刺し身が振る舞われた。吉浜漁協の菊地幸成参事は「初めて食べたが、さっぱりしていておいしい」と話した。
越喜来漁協は、近年の世界的なサーモン需要の高まりや主要魚種の不漁を踏まえ、試験養殖を検討。地元の養殖組合員への説明、理事会の承認を経て、昨年11月に事業に乗り出した。
秋サケの不漁を理由に空いた越喜来湾内の旧定置漁場に、直径25㍍の円形海面いけす1基を設置し、稚魚を成育。関連機関と連携しながら、生産性や採算性、周辺環境、既存漁業への影響を調べている。
今年11月ごろから2年目の試験養殖に入る。9年冬に本格的な事業に移行できれば、活用が課題となっていた空き漁場を有効利用できることとなる。
ニッスイサーモンは、水産大手㈱ニッスイ(本社・東京都)のグループ会社で、サーモン養殖事業を手がけている。4月1日付で弓ヶ浜水産㈱から社名を変更し、同社が生産する国産養殖サーモンを「ニッスイサーモン」のブランド名に統一した。
ニッスイサーモン社は令和4年に大槌町で、7年に陸前高田市でサーモン養殖を開始。このうち、同市での水揚げは5月に始まり、6月末までに約300㌧の水揚げを見込んでいる。
同社は各漁場で段階的な増産を計画し、令和12年時点で国内水揚げ計1万㌧を目指す。このうち本県は大槌町、陸前高田市に、大船渡市を加えた3漁場で7000㌧を占め、中心的な産地となる。
越喜来漁協の船砥浩一参事は「試験段階ではあるが、今季の出荷の段階に至って良かった。最終的に事業を本格化できるよう検証を進めたい」と見据える。






