里山に明るい彩り 上有住のナデシコ見頃

▲ 鮮やかなピンクが一面に広がるナデシコ畑

 住田町上有住和野地内で、畑一面に育てられているナデシコが見頃を迎えた。のどかな里山に明るい彩りを添え、見に訪れる人々の心を癒やしている。
 畑は天嶽自治公民館近くにあり、近所に住む河村ハルノさん(84)が栽培。もともと水田だった場所で、毎年この時期になると、1000平方㍍ほどの平場に濃淡のピンクが鮮やかに広がる。
 河村さんは、20年以上前、使われなくなった圃場で「雑草だらけになるより、花が咲いた方が地域の景観も良くなるだろう」と考え、ナデシコを植え始めたという。1株のナデシコから株分けし、地道な草取り作業などを続け、一面の花畑をつくりあげた。
 地域の風物詩になっており、上有住地区のみならず、大船渡市や釜石市などからも毎年愛好者が訪れるという。今年も、今月に入ってから花が次々と開花し、晴れた5日は〝ピンクのじゅうたん〟のような美しい光景が青空と山々に映え、来訪者の目を楽しませた。
 「人口減少で、この辺りも静かになった」と口にする河村さん。ナデシコ畑があることで人が集まり、地域ににぎやかな雰囲気が生まれてほしい──。切なる願いも、小さな花々に込める。
 河村さんは「見頃は1週間ほど続きそう。気候のせいか、例年よりまばらに咲いているところもあるが、咲いてくれた分は今年もきれい。自由に見に来てもらい、喜んでもらえればうれしい」とし、花を通じた来訪者との会話も楽しみにしていた。(阿部仁志)