シーズン中の安全祈願 種山高原山開き 神事やハイキングなど(別写真あり)

▲ 種山の雄大な自然を感じながらハイキングを楽しむ参加者ら

 住田町などにまたがる種山高原で7日、山開きが行われた。濃い霧が立ち込める幻想的な景色の中、神事で観光シーズン中の安全を祈ったほか、ハイキング、郷土芸能のステージなどが行われ、各方面から訪れた人でにぎわった。
 種山高原は、同町、奥州市、遠野市にまたがる物見山(種山)を頂点とする高原地帯。標高600~870㍍のなだらかな斜面が広がり、冷涼な気候のため、藩政時代から馬の放牧地として利用されていたという。
 岩手の詩人・宮沢賢治がこよなく愛した高原としても知られ、文学作品では「種山ヶ原」として登場。賢治作品の源泉となった岩手の自然景観「イーハトーブの風景地」の一つとして、国の史跡名勝天然記念物にも指定されている。
 山開きは、住田町と奥州市で構成する種山高原観光協会(会長・及川琢也奥州市江刺総合支所地域支援グループ長)が主催。
 午前中は、同高原の「星座の森」イベント会場で安全祈願式典が行われ、両市町の関係者10人余りが出席。玉串奉てんなどが行われた神事の間も、続々と地元内外の人が会場に入り、にぎやかな雰囲気に包まれた。
 神事のあと、及川会長は、霧がかかった会場を見渡しながら「宮沢賢治に思いをはせ、雄大な自然を満喫していただきたい。種山高原が多くの方々に愛され、県内外から足を運んでもらえることを祈念する」とあいさつ。
 佐々木春一住田町議会議長は、種山に雨が降る情景が描かれた賢治の牧歌を引用してこの日の天候と結びつけつつ、「種山高原は、住田町民にとってもかけがえのない場所。おいでの皆さんがこの1年間、安心して散策ができること、あるいはアウトドアで安全に過ごされることをお祈りする」と語った。
 物見山山頂を目指すハイキングには気仙内外の37人が参加し、「すみた森の案内人の会」の佐々木慶逸さんらのガイドを受けながら散策した。冷たい風に吹かれながらも、小さなピンクの花がかわいらしいタニウツギや、湿った空気にしっとりとぬれる樹木の鮮やかな緑などに感嘆の声を上げた。
 「種山はよく来るが、こうして山開きの日に来るのは初めて」「一度来てみたいと思っていた山。にぎやかで楽しい」と会話を弾ませた参加者ら。巨岩「モナドノックス」など道中の賢治ゆかりのスポットも通り、思い出にとどめた様子だった。
 イベント会場では、「奥山行山流地ノ神鹿踊」(奥州市)や「行山流外舘鹿踊」(住田町)の郷土芸能披露、奥州市の団体による踊りの披露、餅まきなども行われた。