住田高存続に向け論戦 町議会6月定例会 入学者数の定員割れ受け

▲ 本年度入学者数が募集定員の半数を下回った住田高校

 住田町議会6月定例会は9日開会し、会期を12日(金)までの4日間と決めた。初日は荻原勝議員(無所属)、村上薫議員(同)、金野千津議員(同)の3議員が一般質問。本年度入学者数が募集定員の半数を切り、存続が厳しい状況となっている県立住田高校についての論戦の中で、町当局は、町や学校の魅力発信など、効果的なアプローチ方法を模索したい考えを示した。(阿部仁志、2面に一般質問の主なやりとり)

 

 住田高の入学者数確保、存続を取り上げたのは、荻原議員と村上議員の2人。
 このうち、荻原議員は本年度入学者数が13人(前年度比11人減)で、募集定員40人の半数を下回った同校について「お茶を濁せる状況ではない」と危機感を表し、入学者減少の要因について見解をただした。
 松高正俊教育長は「地域全体の少子化が進展する中、気仙地区や釜石、遠野地区の高校への入学志願者数が募集定員を大幅に下回り、比較的容易に近隣の希望校に入学できる状況になっていることが大きく影響していると認識している」と答弁。
 また、「小規模校は、個々の学力や性格に合わせた指導を受けやすく、人間関係も深まりやすいといったメリットが挙げられる一方で、多様な人間関係を築きにくい、部活動の選択肢が少ないなどのデメリットもある。このことも不利に働くケースがあったのではないか」と語った。
 県教委が策定した第3期県立高等学校再編計画では、高校としての教育の質を維持していくための集団として「少なくとも1学年20人を超える人数が必要」とされ、入学志願者数が2年連続で20人以下となった場合、原則として翌年度からの募集を停止する基準が示されている。
 こうした背景もあり、同議員は「令和8年度の入学者数をどう捉えているか」「今後の支援は」と答弁を求め、松高教育長は「教育委員会としても非常に危機的な状況におかれているものと認識している」「9年度の入学者確保に向け、従来からの取り組みを継続するとともに、中学生やその保護者に対し、(町営ケーブルテレビの)住田テレビを活用した魅力発信など、効果的なアプローチ方法を模索する」とした。
 同議員は、地元の住田中学校からの入学者数がゼロだった現状にも触れ、「町独自教科の地域創造学の進め方にも支障が出るのでは」と迫った。佐々木暁文教育次長は「高校で初めて探究活動に取り組む生徒もいると捉えており、学校側も知見を深めながら取り組んでいるとうかがっている」と述べた。
 一方、村上議員は、同校の魅力づくりや存続対策として、寄宿舎の建設や、町の特色を生かす「森林総合科学科」の設置を提案。
 松高教育長は、住田型グローカル人材の育成に向け、生徒が安心して挑戦できる環境づくり、多様な出会いの場づくり、地域創造学の充実、持続可能な事業の推進を施策の柱とした各種取り組み、地域みらい留学制度を活用した県外からの生徒募集活動などを振り返り、「入学者数の確保に一定程度貢献した」との認識を示した。
 そのうえで、寄宿舎の建設については「町総合計画において、住田高校生や町外出身の町職員などを対象とした単身者向けの寮の整備が計画されており、検討を進める」と説明した。
 「森林総合科学科」の設置については、県内の同様の科がある高校が募集定員に達していない状況や、専門教員、専用設備の確保の困難さを挙げた。
 同議員は「地域校として残すのであれば、どうやって〝選ばれる住田高を作るか〟という視点がなければならない。まちづくりと一体化した高校をここに作るんだという考えがあっていい」と熱を込めた。
 神田町長は「どういう形の中で高等教育というのを作り上げていくべきかというところについて考え、今後の施策に反映できれば」と述べた。
 定例会日程次の通り。
 ▽10日=本会議(一般質問)▽11日=休会▽12日=最終本会議(議案審議)