保育人材の育成、確保へ 市が桜花学園大、名古屋短期大と協定 学生の実習受け入れなど
令和8年6月10日付 1面
陸前高田市と愛知県豊明市の桜花学園大学、名古屋短期大学は8日、保育人材の育成、確保などを狙いとする連携協力協定を締結した。両大の学生が行う保育実習を陸前高田市内の保育施設で受け入れるなどして、市が課題として抱える「子育て環境の充実」と「保育人材の確保、定着」につなげるほか、自然豊かな場所での実習による学生らの学びの深化や、地域との交流も期待される。同市での実習は本年度より試験的にスタートし、時期は来年2、3月からを見込んでいる。
協定締結式は市役所で開かれ、両大の大谷岳学長と桜花学園大の新沼英明学長補佐=陸前高田市高田町出身、市側は佐々木拓市長と石渡史浩副市長が出席した。
佐々木市長は「他分野における教育環境の充実にもつながる先駆的な取り組み。保育実習で訪れる学生が自然や文化、市民、子どもたちと触れ合うことで、本市の魅力を体感してもらえると確信する」、大谷学長は「われわれが培ってきた保育の知見を保育者養成だけでなく、地方創生、交流人口の促進に寄与できないかと考えた。緊密な連携のもと、地域社会の発展と保育教育の質の向上に努めていきたい」とそれぞれあいさつし、協定書に署名した。
連携協力の内容は▽大学の保育実習、研究者の受け入れ▽短期大学通信教育課程の受け入れなど、保育人材の安定的な確保▽保育や教育の質向上への研究および研修の協力▽人材育成▽学生の地域活動への参加──など。
連携事業は、両大学の学生が陸前高田市で行う「保育実習ワーケーション」と、名古屋短期大学保育科に来年度開設予定の「通信教育課程」における陸前高田市民の入学枠の設置を見込む。協定の有効期間は来年3月末までで、それ以降は申し出がなければ1年ごとに更新される。
保育実習ワーケーションは本年度から試験的に始める。希望する学生5人程度の受け入れを想定し、市内の保育施設で約2週間学ぶ。体制が整えば、両大学のカリキュラムの一環として9年度から本格化させ、1回の実習に5人程度を見込む。
大学側は、東日本大震災の教訓を有する市の特性を生かし、子どもの命に向き合える人材育成に資する防災・減災も組み込んだ学びの展開を見据えるほか、学生と地元住民との地域交流の促進にも期待を込める。
通信教育課程は、全国の学生がオンラインなどで保育士の資格を取得できるシステムで、9年度に開設予定。同課程には市の推薦を受けた市民の入学枠が設けられ、人数は10人程度を想定する。実習も市内の保育施設で行えることから、資格取得後はそのまま地元で就職できるメリットがある。入学枠の適用条件などの詳細は検討中。
協定締結の〝橋渡し役〟となった新沼学長補佐(50)は「保育実習を通じて陸前高田に来ることで、将来的な交流人口の増加につながると考えた。通信教育課程の開設によって、地域の業務・産業に従事しながら保育士資格を取得する良い連鎖が生まれれば」と願っていた。






