団員の技術向上図る 町消防団 独自の火災防御訓練(別写真あり)
令和8年6月16日付 7面
住田町消防団(菊池実行団長)は14日、世田米の大船渡消防署住田分署で独自の火災防御訓練を行った。町内で隔年開催の消防操法競技会が見送られる状況が続く中、団員の消防技術向上を図ろうと、消防団が主催して分団別の訓練を初めて計画。初日となったこの日は第2分団(佐々木慎一分団長)の団員33人が臨み、機器操作や中継送水などを実践して基礎を徹底して身につけた。(阿部仁志)
分団対象の訓練は、7月末までに六つの分団ごとに実施し、同分署の消防士らが指導にあたる。
第2分団はこの日、分署内で消防機器の操作方法を動画で学んだあと、屋外に移動し、機器を実際に操作する訓練を展開。大船渡市や大槌町の大規模林野火災発生を教訓に、火災現場まで直接水を届けにくい場合に複数の消防ポンプやホースを中継して水を送り続ける中継送水の手順も確認した。
訓練中は、団員らが消防士の指示に従いながら機器を操作し、注意すべき点や効率的な運用を体得。
中継送水による放水訓練では、初めて筒先を持った団員が予想以上の水圧に手を離してしまう危険な場面もあり、指導をする側、受ける側双方が訓練の必要性を改めて実感した様子だった。
第2分団1部の石橋颯己さん(30)は「普段は触らないホースの扱い方や安全な姿勢などを、訓練で体験することができた。こういう機会を待ち望んでいた」と実践を自信につなげた。
同町ではこれまで、2年に1度開かれる消防操法競技会が団員の主な訓練機会となっていた。しかし、人口減に伴う分団各部の団員不足が顕著となり、競技会に向けた毎日の訓練に参加できない団員も多いことなどから、競技会は平成30年の開催以降、見送りの状況が続いている。
こうしたことから、消防団では消火活動の現場対応力低下を懸念。配備される最新型機器の取り扱いに団員が手間取るケースも見られるといい、昨年度までは各分団が独自に訓練を実施してきた。
本年度は、消防団が音頭をとり、全分団を対象に、分署指導による訓練機会を設定。団員が一人でも多く参加できるよう、集まれる日を事前に確認したうえ日程を定めた。
菊池団長は「数字だけみると、住田町の人口約4000人に対して現在消防団員280人ほどというのは、充足率としては県内でも高い方。しかし、地元外で働いている人も多いため、例えば日中に火災が発生した場合、実際に現場に参集できる団員というのは限りがある」と語る。2年前、上有住字八日町で火災が発生した際は、全団員に招集をかけたところ集まれたのは80人弱だったといい、「現状ではそれが精いっぱい」と説明する。
佐々木分団長は「消防団の人員不足は、住田に限らず全国的な課題。高齢化も進み、新しい団員が入りにくい現状がある中、今いるメンバーで消火活動を行える体制を考えていく必要がある」と見据える。
菊池団長は「火災現場で団員が自信を持って消火活動に臨めるよう、訓練で団員一人一人がレベルアップを図り、町民の安心へとつなげてほしい」と話していた。





