白石峠整備は「継続」 県が再評価内容示す 工期14年度まで、事業費120億円に

▲ 白石峠の整備事業に関して協議する委員=盛岡市

 県大規模事業評価専門委員会(専門委員長・山本英和岩手大准教授、委員8人)は16日、盛岡市のエスポワールいわてで開かれた。一般国道107号のうち、大船渡市─住田町境の白石峠を新トンネル整備などで抜本改良する地域連携道路整備事業(ネットワーク形成型)に関して、県は事業年度や事業費を計画変更して「事業継続」と再評価する考えを示し、委員が意見を交わした。

 

交通難所となっている現道の白石峠

 大規模事業評価は、総事業費50億円以上の公共事業、同25億円以上の施設整備事業を対象とする。再評価は▽事業着手後10年を経過した事業▽再評価後5年以内に完了しない事業▽社会情勢の急激な変化、事業計画の重要な変更により必要があると判断した事業──などを対象とし、事業の継続が妥当かどうか判断するため実施している。
 白石峠の改良事業は、国の補助を受けているため、県は国の実施要領に基づき、令和4年度の事業着手から5年目に当たる本年度再評価を行った。
 計画延長は2・7㌔。うち2・3㌔のトンネルを新たに整備し、峠の急勾配や線形不良区間の解消を図る。7年度は橋りょうの詳細設計やトンネル設備設計などを展開した。
 詳細設計の結果、事業期間はトンネル支保工の変更やトンネル掘削の補助工法、インバート工の増などに伴い、事業期限を令和13年度から1年延ばして14年度とした。工事増や物価高騰を受け、総事業費は当初の94億円から120億円に見直した。事業完了の見通しは立っており、総合評価では「事業継続」とした。
 委員からは、事業費増の背景にある物価高騰や将来交通量に関して質問、意見が寄せられた。県担当者は「現在の資機材単価は、資料で示している数字よりも上がっている可能性がある。先行きは分からないが、上昇のトレンドはしばらく続くものとも感じている」と述べた。
 国道107号は大船渡市を起点に、秋田県由利本荘市までを結ぶ総延長約192㌔の主要幹線道路。重要港湾である大船渡港と、県都・盛岡市や産業集積が進む県南地域を結ぶ物流路線で、県地域防災計画でも緊急輸送道路の第1次路線に指定されている。しかし、白石峠は交通の難所として知られ、8%を超える急勾配が続く区間があるなど、車両の走行に支障を来している。
 こうした現道の交通課題を踏まえ、気仙3市町と遠野市の関係団体で構成する「物流等の円滑化と活性化を図る道路ネットワーク検討会」で協議を重ね、改良整備の必要性を呼びかけてきた。令和4年には遠野市を含めた3市1町の行政、産業団体による期成同盟会が発足し、新白石トンネルの早期着工や、大船渡内陸道路の早期計画策定などを連携して求めている。
 県は17日から7月16日(木)まで、白石峠の事業の再評価内容に対するパブリックコメント(意見公募)を実施。専門委は8月の第3回会合後、達増拓也知事に同事業を含めた諮問事項の答申を行う。
 意見は郵送、ファクス、メールで受け付ける。提出先は県政策企画課(ファクス019・629・6229、メールAA0010@pref.iwate.jp)。郵送の場合は郵便番号(020・8570)のみで届くため、県庁の住所記載は不要。