採算や資金繰りに厳しさ 大船渡商議所会員対象のアンケート調査 原材料など「調達遅れ」の影響増も
令和8年6月18日付 7面
大船渡商工会議所と大船渡市は、4月から5月にかけて実施した同商議所会員事業所対象の物価高騰などに関するアンケート調査をまとめた。昨年3月との売り上げ比較で「減少した」と回答した割合が45・8%と前回よりも11・4ポイント減少した一方、採算、資金繰り、業界の状況はいずれも「悪化」の割合が前年度よりも上昇。また、原材料・部品・資機材等の調達遅れの影響を挙げる割合が伸びており、中東情勢緊迫化の余波が厳しい景況にさらに追い打ちをかける状況がうかがえる。(佐藤 壮)
この調査は、昨年12月から今年1月にかけて以来の実施。適切な支援などにつなげようと実施している。会議所の会員事業所から業種バランスを考慮して600事業所を選定。297件の回答があり、回収率は49・5%だった。
3月における前年同月比の売り上げ、採算、資金繰り、業界の状況の各回答は別掲の通り。昨年の調査から、業況判断指数(DI)を調査項目に加えている。「増加」「好転」などの回答割合から「減少」「悪化」などの回答割合を引いたもので、景況感の相対的な広がりを測る指標となる。
今回の調査では、売り上げの同指数はマイナス23・9(前回比16・5ポイント増)となった。一方、採算は同45・7(同1・7ポイント減)、資金繰りは同36・7(同8・3ポイント減)、業界の状況は同68・0(同7・6ポイント減)と、いずれも低下した。
先行き見通しは、売り上げマイナス48・4、採算が同51・8、資金繰りが同40・4、業界の状況が同65・0。業界の状況を除き、3月の状況よりも悪化するとの見通しが目立つ回答となった。
売り上げのうち「5%以上減」が13・8%、「10%以上減」が8・1%、「15%以上減」が7・1%、「20%以上減」が7・4%、「30%以上減」が6・7%、「50%以上減」が7・1%となっている。「増加した」は23・6%で、前回調査から5・2ポイント伸びた。
「50%以上減」と回答した割合は、建設業が15・9%で最多。次いで、農林漁業が12・5%、食料品製造業が11・1%。「増加した」を見ると、運輸業が54・5%で最も多く、「その他の製造業(窯業、電気機器製造業、木材・金属・FRP加工業)」と飲食業が35・4%、小売業が34・0%だった。
物価高騰の質問で「影響を受けている」と答えたのは76・4%で、前回比5・6ポイント減。業種別では、食料品製造業が100%で、飲食業が95・0%、医療・福祉が92・9%となった。
具体的な影響の内容は、複数回答も可とした。「原材料・仕入れ価格の上昇に伴う利益圧迫」が最多の78・2%で、以下、「燃料価格の上昇に伴う利益圧迫」が74・5%、「物価高騰による消費の冷え込み」が63・6%、「電気料金の上昇に伴う利益圧迫」は49・5%だった。
「原材料・部品・資機材の調達の遅れ」は40・0%で、前回調査の20・1%から大きく伸びた。中東情勢緊迫化により、原油由来のナフサ供給などに影響が及び、その余波が地域経済にも及んでいる状況がうかがえる。
物価高騰などを含め、今後懸念される影響に関しては、最多が「売り上げ・受注の停滞、不振」の73・1%だった。「原油・原材料等価格の上昇」が57・6%で前回比18・4ポイント増。「原材料の調達・仕入れの確保難」は40・4%で、同18・4ポイント増加した。





