試験養殖のサーモン活用 越喜来漁協が提供 大船渡東高校で調理実習(別写真あり)
令和8年6月18日付 1面
大船渡市立根町の県立大船渡東高校(今野晋校長)で17日、同市の越喜来漁業協同組合 (舩砥秀市組合長)から提供を受けたトラウトサーモンを活用しての調理実習が行われた。同校食物文化科の1年生37人が参加し、越喜来漁協が㈱ニッスイサーモン(鶴岡比呂志代表取締役社長、本社・鳥取県境港市)と共同で取り組んでいるサーモンの試験養殖について理解を深めるとともに、刺し身の切り方や構成といった実践的な技術を学んだ。
越喜来漁協とニッスイサーモンによるサーモンの試験養殖は、近年の世界的なサーモン需要の高まりや、秋サケ等の主要魚種の不漁を背景としている。事業は昨年11月にスタートし、越喜来湾内の旧定置漁場に円形海面いけす1基を設置して稚魚を育成。試験1年目の今季はトラウトサーモン1魚種を取り扱っており、今月8日に待望の初水揚げを迎えた。
同校に提供したトラウトサーモンは、同日水揚げされた〝初物〟。調理実習に合わせて越喜来漁協の前田功総務課長と県大船渡水産振興センターの島陰直人技師が来校し、試験養殖やトラウトサーモンについて説明したうえで、生徒たちに「トラウトサーモンを使ったレシピを考えてほしい」と期待を寄せた。
続いて、大船渡町の「魚の駅大船渡」に勤務している非常勤講師・紀室修さんが、刺し身の切り方などの手本を披露。生徒たちは、手本を通して気を付ける点などを確認したあと、班ごとに分かれてトラウトサーモンの刺し身、混合一番・二番だし、タケノコご飯、若竹煮の調理に取りかかった。
客に料理を提供することを想定した実践的な実習にしようと、1時間の制限時間を設定。紀室さんは各班を回り、刺し身の切り方について「押さないで、包丁の重さを利用して引くだけ。押すと刺し身がつぶれてしまう」「刺し身を切るときは一気に。のこぎりのように切ると断面が悪くなる」といったアドバイスを送った。
最後に、作り上げた料理を班ごとに教室前方のテーブルに並べ、紀室さんや教員らが講評。「制限時間内に作れていた」「食べ物を粗末にしない」「お客さんに自信を持って出せるように」などと伝えたほか、紀室さんはトラウトサーモンにも言及し、「刺し身用にいいものを提供してもらったが、この〝いいもの〟にいかに付加価値を付けて提供できるかが大切。それは皆さんの力にかかっている」と生徒たちを応援した。
三陸町越喜来から通学する古水美優さんは、地元で水揚げされたトラウトサーモンについて、「生まれたところの食べ物が実習に出てくるのはうれしい」と笑顔。「いつもはあまり海産物を食べないけれど、トラウトサーモンは地元のものなので頑張って食べたい」と話していた。






