防災士の育成・確保へ 市当局、市議会定例会一般質問で計画示す

▲ 昨年10月に市内全域で行われた防災訓練。本年度は防災活動の核となる人材育成・確保に向け、防災士養成研修の実施も計画している

 大船渡市議会6月定例会は17日、通告に基づく一般質問が行われ、市当局は本年度新たに実施する市地域防災リーダー育成プロジェクト事業の計画を示した。これまで市外で開催された防災士養成研修を市内で行うもので、本年度は市内自主防災組織などに所属する市民らを対象に、定員50人程度で実施する想定。受講費は市が負担する見込み。東日本大震災で甚大な被害を受けた教訓を胸に、復旧・復興へまい進してきた市が地域防災力の強化に向け、防災活動の要となる人材の計画的な育成、確保に力を入れていく。(高橋 信、2面に一般質問の主なやり取り)

 

市内で養成研修実施 定員50人程度を想定

 

 防災士の養成・確保策は、三浦隆議員(新政同友会)が取り上げた。「具体的にどのような支援を考えているのか。受講費用負担の考え方は」と質問した。
 防災士は防災分野に関する一定の知識・技能を修得した人に対し、NPO法人・日本防災士機構が認証している資格。登録者数は全国で5月末現在36万2371人で、このうち本県は4461人が認証を受けている。
 資格は、同機構が認める研修機関による養成研修講座を受けたあと、資格取得試験で合格し、さらに救急救命講習を受講すれば取得できる。養成研修講座は、災害発生の仕組みや災害に関する情報など21講目のうち12講目以上を履修する必要があるため、基本的に2日間以上の日程で実施されるという。
 大船渡市は本年度、防災知識の普及、防災分野の人材育成を目的に、地域防災リーダー育成プロジェクトを新規事業化。研修は、同機構の認証を受けた研修機関に委託する方向で検討している。
 養成研修の受講料に関しては、自主防災組織や自治会から推薦された人などの場合、市が全額を支出し、個人負担が生じないようにする考え。研修会場までの交通費など、その他の費用は各自の負担となる見通し。
 近年、全国各地で自然災害が頻発しており、行政による公助だけでなく、住民同士が支え合う共助の重要性が高まっている。特に発災直後は、避難情報の伝達や高齢者の避難支援など、地域内の迅速な対応が被害の軽減につながるため、住民主体の活動の核となる地域防災リーダーの育成・確保が求められている。
 こうした課題を踏まえ、市は地域における防災活動の活性化や、自主防災組織の機能強化、住民による率先避難、避難誘導を行う体制づくりの強化に踏み切ることとした。渕上清市長は令和8年市議会第1回定例会本会議の施政方針演述で、新たな地域防災力の強化施策として防災士の養成研修事業の実施を明言した。
 渕上市長は「地域の防災活動を担うリーダーや担い手の育成を促進し、平時における災害への備えを進めるとともに、災害発生時の地域主体による防災活動の推進につなげていく。また市内で研修を実施することで、防災士資格の取得機会が身近なものとなり、担い手増につながるとともに、各地域における防災力の向上が図られるものと考えている」と述べた。