「訪問型」産後ケアを開始 市がサービス拡充 ラインからも予約可能

 大船渡市は今月、産後1年未満の母子を対象に「訪問型」の産後ケア事業に乗り出した。これまでは、市内の病院やホテルで母親に休息の時間を提供する「通所型」の充実に取り組んできたが、自宅をはじめ住み慣れた場で子育てに関する不安の解消などに応じようと新たな類型を加えた。利用予約は通所、訪問型ともに市公式LINE(ライン)からも可能で、市担当者が利用を呼びかけている。(高橋 信)

 

子育て支援に力を入れている大船渡市が訪問型産後ケア事業を開始(資料)

 訪問型産後ケア事業は、市が気仙沼市の「ひなたのはな助産院」「にじのわ助産院」の2機関に委託して実施している。助産師1人が大船渡市内の自宅や里帰り先など指定の場所に出向く想定。
 時間は1回当たり2時間程度。卒乳や断乳児へのケアといった「乳房ケア」や、心身の体調に関する相談、子どもの体重測定、発育・発達状況の観察、育児相談など、子どもの成長に伴い変化する母親の悩みやニーズに対応する。
 申し込みは、市公式ライン、または盛町の市こども家庭センター母子保健係(サン・リア2階)窓口で受け付けている。
 ラインは市公式アカウントに「友だち」登録後、同アカウント下部のメニュー「くらし」欄から「予約」を選択すれば、通所型、訪問型の予約が可能となる。申し込み後、数日以内に実施機関の助産院から電話連絡があり、訪問日時を調整する流れとなっている。
 利用回数は、通所型、訪問型合わせて7回まで。ただし通所型は、5回を上限とする。双子などの多胎児の場合は合計10回まで利用でき、うち通所型は7回までに設定している。
 市は令和6年7月、サン・リア内に行政機能と交流機能を併せ持つ市こども家庭センター「DACCO(だっこ)」を開設。同年9月には国が提唱する「こどもまんなか」の趣旨に賛同し、「こどもまんなか応援サポーター」として、子育てにやさしいまちの実現に向けた取り組みを推進することを宣言した。
 同センターの交流広場は連日、多くの親子が利用。市本庁舎と市保健センターの2カ所に分散していた子ども・子育ての手続きや相談窓口をこども家庭センターに一本化し、相談室も確保したことで令和6年度の相談件数は前年度との対比で約2割伸ばした。
 通所型の産後ケア事業は本年度、県立大船渡病院、NPO法人まんまるママいわて(花巻市)、ひなたのはな助産院の3機関・団体に委託し、同院や市内ホテルで助産師ら専門職が赤ちゃんを預かっている間、母親は別室で休むことができる。授乳や育児などの相談にも対応している。
 通所型は産後5カ月未満の乳児(大船渡病院は産後4カ月未満)とその母親を対象としており、卒乳の時期でもある産後1歳未満の親子の悩みに寄り添おうと「訪問型」を追加。「赤ちゃんを連れて出かけるのが大変」「いつもの部屋でリラックスして相談したい」といったニーズの受け皿にも位置づける。
 同センター母子保健係の新沼美香係長は「産後ケア事業に加え、妊産婦同士がつながり合う『ほっとカフェ』やパパママ教室など、出産・育児のフェーズに応じた支援、事業を展開しており、これらの取り組みを周知しながら、限られた資源を生かした母子らへの伴走支援に当たる」と語る。
 通所・訪問型産後ケア事業の概要は別掲。問い合わせは、同センター(℡47・5200)へ。