花火未返金調査の現状示す 市議会一般質問で当局 14日時点で223件の回答
令和8年6月25日付 1面
陸前高田市議会6月定例会は24日、前日に続いて通告に基づく一般質問が行われた。市当局は、昨年5月に中止となった「三陸花火大会」(三陸花火競技大会実行委主催)の観覧チケット代の未返金問題について、今年10月11日(日)に開催する「高田松原花火」の実行委員会と連携して進めている未返金者への実態調査の状況を示し、今月14日現在で223件、金額にして約460万円の回答があったことを明らかにした。高田松原花火では、未返金者へのチケット代の割引などを行う計画で、被害者に寄り添い、再び陸前高田に足を運んでもらう機会としたい考え。三陸花火大会の実行委に対しては「誠意ある対応と迅速な返金を強く求めていく」とした。(菅野弘大、2面に一般質問の主なやり取り)
三陸花火の未返金問題について取り上げたのは、佐々木良麻議員(とうほく未来創生)。「高田松原花火実行委と協力して行う実態調査の現状と、今後の対応方針は」と質問した。
三陸花火大会は、令和2年秋のプレ大会を皮切りに、春に三陸花火大会、秋に三陸花火競技大会を開催。6年秋の9回目は、来場者数が過去最多の約1万5000人(三陸花火競技大会実行委調べ)に上るなど、大規模な花火イベントとして定着しつつあった。
しかし、昨年5月の第10回大会を巡っては、同実行委が本番約2週間前に中止を発表。「返金に回す資金が手元に残っていない」(同実行委)として、大会予定日から1年以上が経過した現在も、チケット購入者約1700組に対する総額約2500万円の返金が行われていないほか、同実行委代表者とも一切連絡が取れなくなっている。
三陸花火中止を受け、市内では当日出店・出演する予定だった事業者などの市民有志が「陸前高田 名前のないまつり」と銘打った代替イベントを実施。同まつりの企画メンバーが中心となって高田松原花火の実行委を組織し、新たな花火大会の開催を決めた。
実行委では、市をはじめとした市内関係団体と協力協定を締結のうえ、大会開催に向けて準備。さらに、市と連携して「三陸花火大会2025未返金者実態把握調査」にも乗り出した。
菅野洋商工交流部長は「未返金者からの問い合わせに対し、返金の有無の確認や未返金実態調査への協力をお願いしている。実行委からは223件、金額にして460万円ほど(今月14日時点)の回答があったと報告を受けている」と明かした。
未返金者に対し、被害相当額をチケット料金から割引する方針を示していることも説明。市当局は、高田松原花火開催補助金(800万円)を盛り込む本年度一般会計補正予算案を今定例会に提出している。
同部長は「新たな実行委にチケット代の返金義務はないが、被害に遭われた方々に誠実に向き合うことで、改めて本市に来ていただき、良い思い出を作り直してほしいという実行委のメッセージと認識している。三陸花火実行委の代表者に対しては、誠意ある対応と迅速な返金を強く求め、被害を受けられた方々の意向もうかがったうえで、毅然とした対応をとっていく」と述べた。
佐々木議員は「三陸花火大会では、市内事業者への未払いもあったと記憶しており、新たな大会開催について、事業者の反応はどうか」「これまでとは違う、全く新しい実行委で大会をやっていくことを含め、もっと情報を発信していくべきでは」などと再質問。
同部長は「関係団体に事前に説明し、『本当に大丈夫か』という意見もある一方、『花火大会は市にとっても有用なイベント』との声もあり、期待のほうが大きいように感じている」とし、佐々木拓市長は「前実行委には毅然たる態度で責任を追及していく一方、もう一度みんなで協力して新しいものをつくり、多くの方々に喜んでいただこうという大会の趣旨、メッセージの情報発信を行っていく」と述べた。






