第2期市公共施設等総合管理計画素案 一部集会施設の譲渡を検討 9年度から10カ年指針 当局、市議会全員協で示す

▲ 個別施設計画案で地域団体への譲渡を検討する必要があると記載された碁石地区コミュニティセンター

 大船渡市は、公共施設に関する財政負担の軽減・平準化を図るための「第2期市公共施設等総合管理計画」と、施設ごとの具体的な対応方針を定める「第2期市公共施設等個別施設計画」の両素案をまとめ、26日に開かれた市議会全員協議会で示した。計画期間はともに令和9年度~18年度の10年間。将来的な施設更新費用と投資可能額を対比すると多額の不足額が生じる見通しのため、段階的に施設を縮減していく方向性を基本とする一方で、サービス維持を念頭に置いた施設規模の適正化、集約化を図る方針。施設更新費は10年間で188億円の削減を目指す。一部集会施設は、更新費確保が困難な見通しのため、選択肢の一つとして地域団体への譲渡を検討する。(高橋 信)

 

 総合管理計画の素案によると、市内の公共施設は282施設、569棟。施設の総面積は25万335平方㍍。延べ床面積の内訳は、多い順から学校教育施設7万5659平方㍍(30・2%)、公営住宅5万6534平方㍍(22・6%)などとなっている。
 管理形態は、市直営施設164施設(58・2%)、指定管理者の管理施設95施設(33・7%)、その他23施設(8・2%)。
 今後40年間の更新費用は、総額で2033億円を見込み、年平均50億8000万円。これまでの施設に対する投資実績(年間32億円)の約1・6倍上回る想定となっている。
 こうした見通しを踏まえ、施設の更新時期を見据えながら必要なサービス、施設を見極め、段階的に縮減する方向性を基本とする。同時に施設で提供されるサービスに着目し、利用状況や機能の重複状況を検証しながら、サービス維持を前提とした規模の適正化、集約化・複合化を検討することとしている。
 試算結果から、更新費用の削減目標は188億円、施設面積の縮減目標は2万3181平方㍍に設定。施設の計画的な管理は、部署間の連携が不可欠なため、全庁的な組織として市公共施設マネジメント推進会議を設置し、計画の取り組みは市ホームページなどで公表する。
 施設類型別の方針をみると、集会施設のうち「むらづくり研修施設」の一部は、補助事業の廃止などで更新にかかる財源確保が難しいとして、「施設の譲渡を検討する」と記載した。
 個別施設計画案によると、該当するのは▽野形郷土文化保存伝習施設(綾里)▽野々前しおさい会館(同)▽扇洞会館(吉浜)▽上甫嶺研修集会施設(越喜来)▽砂子浜生活改善センター(綾里)▽宮野地区活動センター(同)▽宮野地区多目的集会施設(同)▽担い手センター(赤崎町)▽しんしん館(猪川町)▽小通活性化施設(日頃市町)▽鷹生地域多目的集会センター(同)▽坂本沢林構改善センター(同)▽鷹生川流域生活改善センター(同)▽石橋鎧剣舞伝承館(同)▽平山ふれあいセンター(同)▽碁石地区コミュニティセンター(末崎町)▽平田地域多目的集会センター(立根町)──の17施設。いずれも指定管理者である地域団体と譲渡に関して検討していく考え。
 また、個別施設計画案は、施設管理に関する具体的な実施計画を1年単位で記載。これにより第1期計画では前期(平成29年度~令和3年度)、後期(4年度~8年度)に分けたマネジメント方針欄で示されていた改修や設備の設置・更新、解体などについて、実施のめどとする時期がより具体化された。
 素案によると、スポーツ・レクリエーション系施設のうち、長寿命化改修を実施する市営球場は10年度の設計、11年度の改修工事、12年度のクラブハウス設計・工事を見込む。築約50年の市民体育館は建て替える計画で、11、12年度の基本・実施設計、13年度の敷地造成、14、15年度の建物工事を想定している。
 全員協議会では、一部議員が施設への投資可能見込額の算定根拠や、譲渡の検討対象である「むらづくり研修施設」などを巡り質問。施設の適正規模化に関して見解を問われ、阿部貴俊財政課長は「行政サービスを提供するための手段として施設がある。単に建物を解体する、面積を減らすということではなく、これからの縮小社会の中で行政サービスを維持していくために、どのように施設を管理していけばいいのかということに主眼を置く」と強調した。
 個別施設計画案の中で、市民体育館の建て替えに関する見通しが示され、一部議員は「大変喜ばしいが、この通り進むと受け止めていいのか」と質問。阿部財政課長は「市としてはその方向で進めようとしているが、年度ごとに事情が変わり、時期のずれなどは発生しうる。実際に計画通り進むかどうかは年度ごとに状況を見ながら決まっていくということになる」と答えた。
 市は公共施設の老朽化、財政の厳しさを背景に、施設の更新、統廃合、長寿命化を計画的に進め、財政負担の軽減と平準化を図るため、平成29年3月、市公共施設等総合管理計画(平成29年度~令和8年度)を策定。令和5年2月に計画を一部改訂した。
 市は第2期計画案について、この日の全員協議会で議員から寄せられた質問・指摘を踏まえ、内容を精査したうえで、パブリックコメント(意見公募)を実施する予定。年度内に成案を固める。