新たな防災気象情報学ぶ 自主防リーダー研修会 静岡大の牛山教授招き(別写真あり)
令和8年7月2日付 6面
陸前高田市による「自主防災組織リーダー研修会」は6月30日夜、高田町の奇跡の一本松ホールで開かれた。気象庁の「防災気象情報に関する検討会」副座長である静岡大学防災総合センターの牛山素行教授を招き、5月に新たな形で運用が始まった同情報をテーマとした講演を聴講。参加者らは同情報の特徴や避難情報との違いなどに理解を深め、災害時における対応の参考とした。
研修会は、地域防災活動において指導的役割を担う人材を育成しようと、市内の87自主防組織や11地区コミュニティ推進協議会を対象に開催。それぞれの関係者に加え、市民ら約100人が参加した。
佐々木拓市長のあいさつに続き、牛山教授が登壇。「避難情報と防災気象情報について~洪水・土砂災害を主な例として~」と題して講演した。
この中では、災害時に市町村が住民らに「警戒レベル3高齢者避難」「警戒レベル4避難指示」などと避難を呼びかける避難情報は、法律で決められていると紹介。牛山教授は、「災害時に避難情報を発出できるのは、基本的に市町村長とされており、気象台が出すものではない」と強調した。
一方、防災気象情報については「気象庁が発表する、気象災害に関わるさまざまな情報の総称」とし、「防災気象情報などを参考に、市町村は避難情報発出の判断をする」と述べた。
代表的な防災気象情報である警報に関しては、基本的に市町村単位で発表され、予報の一種であることにも触れながら、「災害が起こるおそれの程度により、注意報、警報、危険警報、特別警報の段階がある」と説明。新たな防災気象情報では、河川の氾濫、大雨、土砂災害、高潮の4種類の警報で名称の前にレベルを表示しているとした。
大雨や土砂災害などから身を守るための情報活用にも言及。新たな防災気象情報をはじめ、気象庁が提供する「時系列情報(明日までの警報等の見通し)」、その地域にとっての大雨による洪水、土砂災害の危険が高まっているところを示す「キキクル」などを挙げた。
避難行動の話題では、「避難所へ行くことは手段の一つであり、目的ではない」などと述べ、洪水・土砂災害時には、安全な場所に避難する「立ち退き避難」だけでなく、あらかじめ危険な場所を知っておき、近づかないことや、予定の変更も安全確保につながるとアドバイス。「一律の正解がなく、絶対大丈夫だという方法はないかもしれないが、ちょっとでもましなやり方が何かないかなどを地域ごとに考えることが重要」と結んだ。
参加者らは質問も行い、避難情報と防災気象情報の違い、有効な情報利用のあり方などを確認。地域における防災活動のヒントにもしていた。






