運営面での課題など共有 クラブ関係者交え意見交換会 中学校部活動の地域展開で

▲ 部活動の地域展開の取り組みが進む中、関係者を集めて初めて行われた意見交換会

 陸前高田市による「地域クラブ認定団体に係る意見交換会」は1日夜、市役所で初開催された。中学校の部活動における生徒たちの文化・スポーツ活動を地域ぐるみで支える「地域展開」が本年度から本格化している中、出席した市内のクラブチーム代表者や市の関係者らが、今後の取り組みの方向性や運営面での課題を共有。市では、活動に参加する生徒の意欲を尊重しつつ、持続可能な運営体制の整備を地域一体となって進める。(菅野弘大)

 

 中学校の部活動を巡っては、急激な少子化が進む中、将来にわたって生徒が継続的にスポーツ・文化芸術活動に親しむ機会を確保し、全ての生徒が希望に応じてさまざまな活動に参加できる環境を整備することを狙いに、令和4年12月、スポーツ庁、文化庁が「学校部活動および新たな地域クラブ活動のあり方等に関する総合的なガイドライン」を提示。7年12月には文部科学省が「部活動改革および地域クラブ活動の推進等に関する総合的なガイドライン」を策定し、地域クラブ活動において、学校部活動が担ってきた教育的意義を継承、発展させつつ、新たな価値を創出する理念のもとで、「地域展開」として地域全体で連携して取り組みを進める方針を示した。
 7年度までは改革推進期間、8年度からは改革実行期間の前期とし、10年度までに全ての自治体が休日の部活動の地域展開に着手することを目標としている。11年度から13年度は後期とし、平日の活動についても、各種課題を解決しつつ、さらなる改革を推進するよう求めている。
 また、競技力向上を主な目的としたチームやスクールなどとの区別や質の担保のため、国が示す要件に基づき、自治体が地域クラブ活動の認定を行う仕組みも構築。同市では本年度、バレーボール男女、柔道、剣道、バスケットボールの5団体が地域クラブ認定団体として活動しており、運営面での課題などを共有しようと、気仙地区中学校総合体育大会が終わったタイミングで意見交換会を開催することとした。
 同日は、認定5団体の代表者と高田第一、高田東両中学校の校長、市教委や担当課職員15人が出席。山田市雄教育長は「まだ始まったばかりで、運営面でさまざまな課題、不便があるだろうと思う。皆さまから意見をいただき、市内2校の生徒が一体となった活動ができるよう、取り組みを推進したい」とあいさつした。
 続いて、吉田亜矢子学校教育課長が、部活動に関する国、県の方針や地域クラブ設立までの流れ、市内中学校の部活動の状況を説明。市内中学校では、生徒全体の27%が地域クラブで活動しているとし、「子どもたちがさまざまなスポーツ、文化活動に興味を持ち、チャレンジ、没頭できる環境を整えることで、将来のまちを支える人材育成や地域活性化につながる」などと意義を伝えた。
 市としては▽生徒の「やってみたい」を重視▽部活動の教育的意義を継承▽専門性の高い指導を受けられる▽地域のスポーツ・文化活動の活性化▽持続可能な体制整備——などを「大切にしたい視点」に挙げ、先行的に可能な団体から地域展開を実施し、成果と課題を検証しながら、種目ごとに学校や指導者、保護者会等と協議を重ねて取り組みを進める方針も示した。このほかにも、市スポーツ協会、市芸術文化協会と連携した総合型地域クラブ、総合文化クラブの設置などを検討しているとした。
 出席クラブの代表者からは、活動場所への送迎の問題や競技ごとに異なる大会参加のあり方などが話題に上った。市は本年度、ジャンボタクシーの運行による生徒の送迎を、女子バレーボールのクラブで試験的に行っていることを紹介したほか、地域クラブの適正かつ円滑な運営のための活動補助金や、中体連主催の県以上の大会に出場する選手の交通費、宿泊費を支援する「市中学校体育文化活動大会出場費補助金」についても説明し、積極的な活用を呼びかけた。
 意見交換会は今後も定期的に開催する予定。市では、令和10年度までに完全な地域展開を目指す。