市の森林資源活用事業など紹介 陸前高田市農林課の蒲生さん 7日、東京で林野庁主催のフォーラム参加へ

▲ 林野庁主催のイベントに登壇を予定する陸前高田市農林課の蒲生さん

 林野庁主催の「森業キックオフ・フォーラム」は7日(火)、東京都江東区の木材会館で開かれる。全国の森林にかかる取り組みを紹介する事例発表では、陸前高田市役所農林課林政係長の蒲生夏生さん(39)が登壇者の一人として参加し、市が力を入れる森林資源活用の事業など、全国的にも注目を集める先進的な取り組みを発表する予定。蒲生さんは、豊かな森を残してくれた先人たちへの思いも胸に「みんなで育てる森づくりに協力する仲間が増えれば」と取り組みの浸透に期待を込める。(菅野弘大)

 

 森業について、林野庁では「文化的サービスをはじめとする森林の多様な生態系サービスの提供、活用により、人と森林の関係を深め、林業と相まって森林所有者に利益を生み出し、豊かな森林づくりにつなげる取り組み」と定義し、具体的な取り組み例として、森林浴、トレイルライドなどの森林空間利用、林業体験、企業研修等のフィールド提供、J─クレジット、未利用資源の活用等を挙げている。令和7年5月に農林水産省が公表した「地方みらい共創戦略」において推進が位置づけられ、全国のトップランナーが集い、現場での取り組みや地域経済にもたらす効果、今後の展望を共有する機会として、同フォーラムが開催されることとなった。
 同フォーラムでは、林野庁職員による趣旨説明や森林活用に取り組む法人代表による基調講演のほか、全国から集まった関係団体の代表者12人による事例発表、パネルディスカッションなどを予定。250人の参加定員枠は早々に募集が締め切られるなど、注目度の高さをうかがわせる。登壇者で唯一、行政からの参加となる蒲生さんは、事例発表(10分間)とパネルディスカッションを担当し、市の事業紹介や関係者の思い、今後の見通しなどを熱く伝える。
 陸前高田市は令和5年11月、公益財団法人SaveEarthFoundation(セーブ・アース・ファンデーション、SEF)とワタミエナジー㈱の3者で森林資源の活用に関する連携協定を締結。現在は「市有林J─クレジットの販売」と「企業等による森づくり制度(企業の森制度)」の両輪で、さまざまな企業とともに、豊かな森を守り育てるサイクルと地域経済の循環を生み出し、陸前高田をフィールドとした交流人口の創出にもつなげている。
 平成24年採用で農林課に配属された蒲生さん。令和4年4月からは、人事交流で林野庁東北森林管理局に約1年4カ月間勤務した経験も持つ。森林資源の活用について、多方面で講演する機会も増えているといい、市の取り組みの広がりに手応えを見せる。
 「市で行っている取り組みが、林野庁の最新施策に合致し、全国規模のフォーラムに呼んでいただけること、われわれの取り組みが評価され、先進事例として取り扱われていることはうれしく、誇りに思う。森を中心に、企業が関わって人やお金の循環が生まれ、それが森、地域に還元される流れが動き出したところで、タイミング的にもありがたい」と蒲生さん。「これは市だけでできる取り組みではない。ネットワークや企画力を持つSEFやワタミエナジー、現地の活動を支える森林組合など、関係機関が連携する部分も評価されたと思っている。この登壇をきっかけに、陸前高田のみんなで育てる森づくりの新たな仲間になる企業が増えれば。その関わりの成果を森や地域に還元していけるよう、これからも取り組みを進めたい」と気持ちを新たにする。