感謝伝えるお囃子披露へ 下矢作灯篭七夕 10月、鳥取県への表敬訪問計画 ぎんりんグループとの縁で 

▲ 8月11日の祭り本番が近づく中、太鼓や笛のお囃子練習に熱を込める住民ら

 陸前高田市矢作町の下矢作地区コミュニティ推進協議会(佐藤信一会長)と下矢作灯篭七夕伝承会(藤倉泰治会長)は10月、東日本大震災後から多大な支援を受け、現在も深い交流が続く鳥取県の飲食業・ぎんりんグループ(村上亜由美代表取締役)のもとを表敬訪問する。現地では、震災後に復活した同地区伝統の「下矢作灯篭七夕祭り」のお囃子を初披露する計画。きょう11日で、震災発生から15年4カ月。8月11日(火・祝)の七夕祭り本番に向け、山車制作やお囃子練習が勢いづく中、訪問団として参加する町民らは「支援や交流の感謝を伝える演奏を」と気持ちを新たにする。(菅野弘大)

 

きょう震災発生15年4カ月

 

 平成23年3月11日の震災津波は、気仙川を遡上して下矢作の天照御祖神社周辺まで到達。被害を免れた同地区コミセンには避難所が開設され、矢作町内や気仙町などから最大約210人が身を寄せた。
 そこに炊き出し支援で入ったのが、ぎんりんグループだった。
 同グループは、震災発生の約2週間後から被災した東北沿岸で炊き出しの活動を展開。はじめは福島県郡山市や宮城県石巻市で活動し、移動の途中で陸前高田市の下矢作地区に立ち寄ったことが縁で、同年4月から同地区コミュニティセンターでの炊き出し支援が始まった。
 復興が進み、支援のフェーズが移り変わっても、同グループによる炊き出しは続いた。現在は4、8、12月の年3回、震災当時と変わらず陸路で13時間以上かけて足を運び、料理やお土産を提供。同協議会では、感謝を伝える親睦会の場を設け、食事や交流を通じた絆を深めており、親睦会は今年12月で50回の節目を迎える。佐藤会長(77)は「姉妹というか、兄弟というか、まるで家族のような付き合い」と語る。
 平成26、30年には、同地区の住民や関係者が鳥取県を訪問。この間の同27年には、昭和40年代から長らく途絶えていた下矢作灯篭七夕祭りが復活を果たしている。
 同市から3回目の訪問となる今回は、約30人の訪問団を結成し、移動を含めて3日間の行程を組んだ。鳥取市・鳥取駅前の開閉式大屋根「バード・ハット」のあるイベント広場を舞台に、灯篭七夕で演奏している伝統のお囃子を初めて披露する。
 また、「七夕祭りの雰囲気を感じてもらいたい」という思いから、山車に使用するものと同じ規格で新たに制作した灯篭も持って行き、会場に設置する予定。披露するのが夕暮れ時と重なることから、灯篭に火をともし、幻想的な空間を演出する。会場では、陸前高田市の特産品販売も予定している。
 8月11日の祭り本番や10月の表敬訪問に向け、演奏部隊の練習にも熱が入る。今月8日夜には、同地区コミセンでお囃子の練習を行い、参加した子どもや大人たちが太鼓、笛で『休み太鼓』『歩み太鼓』『清流早駆け太鼓』の各演目を演奏した。
 同グループは令和2年、灯篭七夕のお囃子メンバーに法被20着を寄贈するなど、地区住民に対して物心両面の支援を行ってきた。演奏部長を務める阿部清喜さん(57)は「鳥取に行って演奏したい気持ちはずっとあった。これまでの支援への感謝を込めて、精いっぱい披露したい」と見据える。
 訪問団の名前には、同グループとのつながりを象徴する「ありがとう、絆」の言葉を冠した。
 佐藤会長は「震災の縁でさまざまな付き合いが生まれ、その一つ一つに物語が詰まっている。われわれの感謝の思いを、七夕のお囃子や灯篭と一緒に、お世話になっている鳥取市民の皆さんに伝えたい」と話している。