ふるさとの子らにエール 高田町出身の声楽家・菅野祥子さん 児童・生徒に久々〝授業〟 リサイタルや講演など行う(別写真あり)
令和8年7月15日付 7面
陸前高田市高田町出身で声楽家の菅野祥子さん(59)=オーストリア・ウィーン在住=は13、14の両日、同町の一本松ホールで市内の小中学生らに向けてリサイタルや講演、合唱指導を行った。地元の子どもたちへの〝授業〟は久々となり、菅野さんは児童・生徒らに歌う姿勢や楽しさ、夢を持って努力し続ける大切さを伝え、ふるさとの子らにエールを送った。(三浦佳恵)

竹駒小、矢作小の子どもたちにも合唱を指導(14日)
菅野さんは東京芸術大音楽学部声楽科を経て、ウィーンに留学。メゾソプラノ歌手としてヨーロッパ各地で活躍し、現在はウィーン少年合唱団のボイストレーナーを務める。
今回は夏休みでの帰省を利用し、市内小・中学生のキャリア教育の講師を引き受けた。13日は高田第一中(佐藤学校長、生徒152人)と高田東中(千葉賢一校長、同159人)の全校生徒、14日は竹駒小(五安城宏彦校長、児童34人)と矢作小(佐々木一義校長、同25人)の全校児童が参加した。
小学校、中学校とも前半はミニリサイタルとして、菅野さんが伊藤素直さんのピアノ伴奏に合わせてクラシックや童謡などを披露。最後は東日本大震災後に自ら制作した『春なのに』を届け、会場からは大きな拍手が送られた。
その後は合唱指導と講演が行われた。中学生への講演では、高田町大町の商店街で過ごした子ども時代、歌やオペラとの出合い、28歳でウィーンに留学した際の思い出などを語った。ウィーンでは声楽家として努力を重ね、コンサートへの出演やウィーン少年合唱団での指導に携われたとした。
一方で、8年前に間質性肺炎を発症し、歌い手としての危機に陥ったことも明かした。それでも、リハビリを続けて再び歌えるまでに回復できたとした。
そして、「〝自分がある〟ということに感謝を。今ここにあることは当たり前じゃない。すべてが輝きに満ちた地球の上に、みんなが生かされていると感じながら、この生活を頑張ってほしい」とエールを送った。
合唱指導では、歌うときの姿勢や発声を児童・生徒らが実践。ホールに伸びやかな歌声を響かせた。
竹駒小の熊谷莉乃さん(6年)は「マイクも使わずに会場中に歌が響いてすてきだと思った。地元からこんなに素晴らしい人が出ているのは誇らしい。指導してもらえたことも光栄に思う」と話していた。
高田東中の畠山響希さん(2年)は「歌で感じられる感情、感性や、陸前高田のことを学べてよかった。体から声を出すことを参考にし、文化祭の合唱などで生かしたい」と誓った。
菅野さんは「地元の子どもたちは皆、素直でうれしかった。夢と明るい心を持ち、努力し続ける大切さが伝わればと思う。初めて一本松ホールで歌えたのもよかった」と充実した表情を見せていた。






