視点/大船渡市の次期学校適正規模・配置計画㊤ ──保護者向け意見交換会終え小学校統廃合の展望は──
令和8年7月17日付 1面
大船渡市教育委員会は6月25日から今月13日まで、市内11カ所の小学校ごとに、今後の小中学校の在り方をテーマとする保護者との意見交換会を開いた。市立小・中学校適正規模・適正配置基本計画(平成29年度~令和8年度)の次期計画策定作業の参考とするため、主に小学校の統廃合に関して保護者から率直な考えを聞こうと開催し、各会場でさまざまな意見・要望が上がった。少子化の現実と向き合いながら、小学生の望むべき学びの場をいかに確保するか──。現計画や今後の児童数の見通し、意見交換会で聞かれた教委への注文を踏まえ、今後の展望を考えたい。(高橋 信)
現計画は中学校統合を推進
8年度までの10年で8校→3校に
市は平成26年10月、市内各種団体の代表者や有識者でつくる「市立小・中学校適正規模等検討委」を設置。児童・生徒数の減少に歯止めがかからない状況下で、学校教育の充実を図るための小中学校の適正な規模、配置に関して約1年間検討した。
市は27年12月、検討委からの提言を受け、基本方針を固めた。統廃合の判断基準となる学校の適正規模について、小学校は各学年1学級以上、中学校は各学年2学級以上を原則とした。さらに、小学校は複式学級の措置が取られ、以降も継続する可能性が高い場合、「近隣の学校との統合を検討する」と定めた。
29年2月、方針の内容を具体化した市立小・中学校適正規模・適正配置基本計画を策定。期間は、29年度から10年間。令和4年3月に改訂し、本年度は計画の最終年度に当たる。
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「中学校において、生徒数及び学級数の減少から、既に部活動や教員配置等、学校運営に影響が出ていることから、単学級の解消を念頭に置き、優先して統合を進めていく」
現計画における適正規模・適正配置の具現化に関し、前記の一文が明記されている。
計画策定前の平成28年度は▽第一中▽大船渡中▽末崎中▽赤崎中▽日頃市中▽綾里中▽越喜来中▽吉浜中──の8校が存在した。
同年度の生徒数は、8校合わせて924人。計画では令和4年度に744人、10年度に718人まで減る見通しが示され、平成28年度からの減少率は4年度で19・5%、10年度で22・3%と、小学校の減少率を上回った。
統合の判断基準の一つとした「1学年当たり1学級」に当たるのは、末崎中、赤崎中、日頃市中、綾里中、越喜来中、吉浜中の6校に上った。同じく判断基準に設定した「平成28年度と令和10年度における生徒数減少率20%以上」に該当するのは、大船渡中、末崎中、赤崎中、越喜来中、吉浜中だった。学校の小規模化の加速に伴い、多様なものの見方ができなくなることや交友関係の固定化などが懸念されることから、市教委は中学校を優先し、統合を推し進めた。
まず令和2年度、日頃市、越喜来、吉浜の各中学校が第一中学校に編入統合。3年度には赤崎、綾里両中学校が統合し、新設で東朋中学校が開校した。
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現計画における統廃合の〝アンカー〟となったのは、大船渡中学校と末崎中学校。2校とも閉校し、新たな学校を新設する「新設統合」で合意し、当初は令和3年4月の統合を目指していた。しかし、校名などで折り合いがつかず、その後、統合の計画自体が白紙となった。
5年度に再び検討が始まり、校名は「大船渡中」に決定。校舎は大船渡中、校章は末崎中のものを使用した。昭和22年に開校した両校はともに78年という長い校史に幕を下ろし、令和7年4月、新生・大船渡中が誕生した。
両校統合の検討の起点は平成29年度、末崎地区に学校統合協議会が設置されたことにさかのぼり、足かけ9年で一つになった。合意形成のプロセスに時間を要する学校統合の困難さも浮き彫りとなった。
最終的に同計画に基づき、当初8校あった中学校は大船渡中、第一中、東朋中の3校に再編された。






