住宅再建 悩み個別化 大規模林野火災 相談会終了、各世帯に随時対応へ

▲ 綾姫ホールで開催された住宅再建個別相談会

 大船渡市と県、住宅金融支援機構東北支店が5月から毎月開催してきた大規模林野火災被災世帯を対象とした住宅再建支援個別相談会が終了した。今月は17、18日にあり、計4組が来場。現地再建を進める中での困りごとや、みなし仮設への入居継続希望など、火災発生から1年5カ月を迎える中、それぞれが思い描く再建方法に向けた悩みや不安の個別化・多様化が浮き彫りとなった。市などでは今後も、各世帯からの相談に随時対応する。(佐藤 壮)

 

 相談会は5月以降、月2日のペースで開催。今月は17日に市役所で、18日には三陸町綾里の綾姫ホールで開催。それぞれ家族2組が相談に訪れた。
 公的支援制度や公営住宅は県と市、災害復興住宅融資は住宅金融支援機構東北支店、建築一般は県建築士事務所協会気仙支部、法律相談は大船渡よりそい・みらいネットが応じたほか、ファイナンシャル・プランナーも資金繰りなどの相談に対応。相談者が複数のブースを回る姿も見られた。
 市役所を訪れた親子は「支援の申し込み方法を確認しに来た。今は(民間賃貸住宅の)みなし仮設にいるが、そのまま住みたいと思っている」と話した。
 別の家族は「現地再建を考えているが、近くにある木が被災していて倒れてきそう。その山林の所有者ではないので、どうすればいいか相談した」と明かした。年内の完成を目指して再建を進めているが「崖地にあたり、今の制度では最初に擁壁を設けないといけなかった。住宅再建には、思っていた以上に時間がかかっている」と振り返った。
 綾姫ホールでは「火災の時に疲れてしまい、すぐに住宅再建のことは考えられなかった。今年に入ってから動き、見積もりをとっているところ」と語る相談者も。別の家族からは「今はみなし仮設だが、これから賃貸や空き家を探すには自分で動かないといけない。希望の公営住宅に入れない人もいると思う。空き家や民間賃貸入居のあっせんもあればいいのだが」といった要望も聞かれた。
 各相談者は「期限も気になってくる」という言葉を口にした。被災者向けに用意された仮設住宅の入居は、法律で原則2年と定められている。みなし仮設住宅では来年4月、建設型仮設住宅では同5月に2年を迎える中、相談会場では「不安になってきた」との本音も。「次の住まい」の確定だけでなく、中東情勢の影響による建設資材確保の遅れへの懸念もうかがえた。
 今年5月時点での市のまとめでは、大規模林野火災で被災し、建設型仮設住宅や公営住宅などに暮らす計60世帯のうち、他地区整備も含む新築は32世帯。購入は7世帯、公営住宅入居は8世帯、民間アパート入居は2世帯、親族宅同居予定は6世帯だった。この時点で、再建方法が「未定(不明)」は5世帯あったが、今月の段階でいずれも連絡が取れているという。
 市住宅管理課の三浦寛基課長は「『迷っている』も含め、各世帯とは連絡が取れている状況。今後も引き続き個々のニーズや不安を聞きながら、必要な支援策を検討したい」と語る。
 市は9月中旬以降に、公営住宅の入居者募集を行う方針。入居先は、赤崎、綾里各地区の市営住宅などとなる。その後、9月の募集で落選した入居者を対象に入居者募集を行うが、入居先は「一般募集枠と同様」となる見込みだ。
 大船渡よりそい・みらいネットでは、8月20日(木)と9月4日(金)のそれぞれ午前10時~午後3時に、市役所で「弁護士と専門相談員による無料相談会」を開催する。仮設住宅からの転居や被災した山林・土地に関する問題、相続手続きに加え、漁業をはじめなりわいの分野での悩み・不安にも応じる。
 今月も2会場での相談会に出向いた阿部知幸共同代表は「再建を決めていても、進める中で難しさや困りごとも出てくると思うので、そういったケースに個別支援ができれば。期限に迫られて『追い出し』が生じるケースは、誰も望んでいない。将来に向け、気持ちよく再出発できるようにしたい」と話す。