米派遣に向け 震災学ぶ 県の次世代人材育成プログラム 気仙の高校生2人も参加(別写真あり)

▲ 陸前高田市立博物館で事前学習に臨む生徒たち

 県による県政150周年記念事業「次世代人材育成プログラム」の事前学習は20日、陸前高田市内で行われた。9月にアメリカへ派遣される県内高校生らのうち、気仙の2人を含む復興・防災班の10人が東日本大震災の事実や復興への歩み、地域の魅力などを学習。アメリカでのより充実した活動につなげた。
 この事業は、企業などからの寄付をもとに県内高校生らを北米に派遣し、岩手の次代を担う人材育成と世界に開かれた地方創生の実現を目指すもの。㈱岩手日報社が企画・運営等を担っている。
 県内の高校と、一関工業高等専門学校の生徒・学生50人の派遣が決まり、6月に結団式を開催。現在は、渡米を前にした事前学習が行われている。
 気仙からは、高田高の小島奈々さん(2年)、大船渡高の浅沼凜花さん(同)が参加。2人は復興・防災班の一員として、陸前高田での事前学習に臨んだ。
 この日は東日本大震災津波伝承館や市立博物館、広田半島を訪問。このうち、同館では同市シニア国際連携アドバイザーなどを務める村上清さんから説明を受けた。
 村上さんは震災の被災状況や、同市が世界各国の支援を受けてどのように復旧・復興を進めてきたかを解説。津波で流出した高田高の実習艇「かもめ」がカリフォルニア州クレセントシティ市に漂着し、現地のデルノーテ高生徒らの協力で返還されたことを機に、学校間、行政・市民レベルでの国際交流が育まれているとした。
 生徒らは、現在、博物館に展示されているかもめを見学。村上さんは「世界とのつながりは、行政や政治家だけがつくるのではない。生徒でも、将来に向かってつくることができる」などと呼びかけた。
 防災や海外に興味があるという小島さんは、「震災について改めて学び、陸前高田などが海外からたくさんの支援を受けていること、ほかの人を助けようとして犠牲になった方もあったと知った。〝津波てんでんこ〟を学び、アメリカの人々や次の世代に伝えたい」と誓う。
 浅沼さんは岩手を学び、海外への知識を深めようと参加。「陸前高田では、これまで知らなかったかもめの話をはじめ、震災の伝え方にいろんな形があることを学べた。アメリカで、津波を知らない人にどう伝えるかのヒントになった」と話していた。
 気仙の2人を含む参加者らは、9月15日(火)~22日(火)の日程でアメリカ・カリフォルニア州に派遣され、サンフランシスコの大学やシリコンバレー企業などを訪問。ロサンゼルスでは現地の同世代と交流し、事前学習を生かした岩手のPR活動などを行う。帰国後は、成果発表会も予定する。