暮らし体験に住宅活用を 本年度 民間アパート1戸→市営団地3戸に拡大 市が移住希望者向けに用意
令和8年7月23日付 1面
大船渡市は本年度、同市への移住希望者向けに用意している移住体験住宅について、民間アパートから市営住宅に切り替えて運用している。戸数を1戸から3戸に増やし、1回につき最大45日無料で利用できる。8月上旬には市内で開催される移住体験ツアーの参加者が同住宅で寝泊まりしながら、同市が誇る夏の行事を満喫するほか、なりわいに触れる。市は本年度、移住者や若者の住宅取得費を支援する補助金制度も創設しており、各種対策を講じながら移住・定住を推し進めている。(高橋 信)
移住体験住宅事業は、移住希望者に対して同市の風土、日常生活を体験するため一定期間居住する住宅を提供しようと、令和6年度に打ち出した。
昨年度までの2年間は大船渡町内の民間アパート1戸を充てていたが、本年度から同町にある市営住宅川原アパート2戸、市営住宅田中南アパート1戸に拡充。両団地とも東日本大震災後、災害公営住宅として整備されたもので、空き室を活用している。
対象者は▽市への移住を検討しており、移住相談をしたことがある、または相談予定がある▽市、県など主催の移住関連イベント参加者▽市内で就業体験を行う▽市内で就職活動の一環として職場見学、説明会、採用試験、面接などに参加する──のいずれかに該当する人。
各戸に冷蔵庫、ガスコンロ、洗濯機、エアコンなどの家具・家電、寝具を置き、Wi—Fi(ワイファイ)も利用できる。日用品や食材は持ち込む必要がある。
利用は1日単位で、期間は1回の申請につき2日から45日まで。年間で通算60日に達するまでは利用できる。
市は豊かな自然と港湾に恵まれ、産業基盤が整っているまちの特性を生かし、市外からの移住者を増やそうと、令和7年度、陸前高田市のNPO法人高田暮舎(岡本翔馬理事長)に移住・定住総合支援業務を委託。同法人は今年2月、大船渡町のキャッセン大船渡内に、大船渡移住・定住相談センター「トモヅナ」をオープンさせ、ポータルサイトを通じた情報発信、専属スタッフによる相談対応など伴走支援を行っている。
移住・定住促進の課題の一つに住まいの確保が挙げられることから、市は本年度、「おおふなと暮らし応援補助金」制度も創設した。
39歳以下の住宅を取得した人が対象で、このうち同市への「移住者」には1世帯当たり最大100万円、市内出身者ら「若者」には1世帯当たり最大50万円を現金交付する。さらに18歳未満の子どもと同居している子育て世帯には、移住者、若者ともに一律で100万円を加算する。
8月1日(土)~8日(土)は、トモヅナ主催の移住体験ツアーが行われ、参加者は期間中、移住体験住宅を利用する。三陸・大船渡夏まつりや盛町灯ろう七夕まつりを見学するほか、漁業などを体験する8日間となっている。
市企画調整課の大和田達也課長は「体験住宅は、移住後の生活を具体的にイメージしてもらう取り組み。トモヅナの伴走支援や地域との交流機会なども組み合わせながら、当市ならではの暮らしの魅力を実感していただき、移住・定住はもとより関係人口の拡大につなげていく」と力を込める。
問い合わせは、同課(℡27・3111内線229)へ。





