再選目指して出馬へ 市長選 現職・渕上氏が意向固める
令和8年8月5日付 1面

渕上 清氏
任期満了に伴う大船渡市長選(11月15日告示、22日投開票)に、1期目の現職・渕上清氏(68)=盛町=が立候補する意向を固めた。近く正式に表明する見通し。今市長選に出馬する意向が明らかになったのは渕上氏が初めて。最大の焦点だった現職の態度が固まり、これまで続いていた静観ムードに今後どのような変化が表れるか注目される。(高橋 信)
渕上氏は4日、東海新報社の取材に対し、「今の段階では何も言えない」と述べるにとどめたが、すでに後援会(今野武義会長)の一部関係者に出馬の意向を伝えているとみられる。無所属で臨み、政党への推薦要請はしない方向だ。
渕上氏は盛町生まれ。大船渡高卒業後、昭和56年に渕上板金工業所(現・㈲フチガミ)に入社。平成17年から23年まで同社代表取締役を務めた。大船渡青年会議所理事長や東北ブロック商工会議所青年部連合会会長などを歴任。平成22年の市議補選で初当選し、連続4選。令和2~3年には市議会議長を務めた。
4年11月の前回市長選は、3期12年務めた戸田公明前市長が勇退した中で行われ、市制施行以降、史上最多となる新人5人が出馬する大混戦となった。渕上氏は▽地元の産業を強く元気に▽若者の活躍でみんな笑顔に▽支え合ってみんな幸せに──からなる「未来への3本柱」を打ち出し、有効投票数の38・7%に当たる7578票を獲得して初当選を飾った。
就任後は保育料完全無償化を実現させ、盛町のサン・リアショッピングセンター内に屋内公園機能も備えた市こども家庭センター「DACCO(だっこ)」を開設。一般国道107号整備促進と大船渡内陸道路(仮称)高規格化実現を訴える期成同盟会も立ち上げ、積極的に要望活動を展開している。
今市長選を巡っては、同氏の後援会が今年3月、再選出馬を要請。本人は毎月ある市定例記者会見で「大規模林野火災からの山林再生に注力しなければならない」などとし、明言を避けてきた。
大規模林野火災は昨年2月に発生。延焼面積は三陸町綾里や赤崎町を中心とした3370㌶に及び、平成以降最大の被害をもたらした。国の激甚災害指定に基づく市の森林災害復旧事業は本年度、私有林でも具体的に動き出し、林野火災で住まいを失った被災者の住宅再建支援にも取り組んでいる。火災からの復旧・復興へ進展が見え始めた一方で、山積する課題への取り組みは緒に就いたばかりであり、引き続き陣頭指揮をとるべく、市長選への出馬の意向を固めたとみられる。
今市長選は12月2日(水)の任期満了に伴うもの。昭和27年の市制施行から数えると通算21回目で、平成13年の旧三陸町との合併後は7回目、東日本大震災後は4回目となる。現時点でほかに、立候補に向けた動きはない。
市によると6月1日現在、市有権者数(18歳以上)は2万7455人(男1万3050人、女1万4405人)。前回選の投票当日有権者2万9301人と比べ、1846人少ない。






