復興見据え対話交流 石川県立能登高校の生徒らが来訪 震災・火災の経験聞き、かかわり探る(別写真あり)
令和8年8月7日付 7面
石川県能登町の県立能登高校(屋敷秀樹校長)に通う1年生8人が6日、大船渡市内を訪れ、20代の市民や高校生らと意見交換を行った。平成6年1月の能登半島地震を経験している能登高生は、復興へのかかわりを探ろうと、同行した東京大学の学生や日本航空㈱の社員らとともに、大船渡市民らに東日本大震災や大規模林野火災からの行動を聞きながら交流。大船渡での学びを通じて自身が抱く復興への思いを見つめ直し、今後の活動に意欲を高めた。(佐藤 壮)

大船渡高校生らとの意見交換も
能登町と東京大学、日本航空は今年5月、創造的復興や未来を担う人材育成に向けた連携協定を締結。この一環で、能登半島地震を経験した能登高生が東日本大震災の被災地を訪れ、地域住民らと交流しながら「能登で必要なこと」を考えるとともに、9月からの校内での探求授業のテーマを探ろうと岩手を訪れた。
来訪したのは能登高生8人に加え、東大生5人、日本航空で能登の復興事業にかかわる社員3人。一行は4日に大槌町に入り、5日は同町内に整備された防潮堤や林野火災現場を見学したほか、地域住民や地元高校生と交流した。
6日は、大船渡市内で大規模林野火災の被災現場を見学後、大船渡町のキャッセン大船渡内での意見交換に臨んだ。前半は「東日本大震災に小中学生だった20代との対話交流」が行われ、橋本陸さん(28)=大船渡消防署、東川今さん(28)=大船渡移住・定住相談センター「トモヅナ」、櫛引美音さん(25)=市観光物産協会、白澤賢斗さん(24)=Novalumo合同会社、今野響さん(24)=地域おこし協力隊、櫛引すみれさん(24)=おおふなと市民活動センター=の6人が出迎えた。
能登高生らは6人から、東日本大震災が発生した15年前の様子や、昨年、避難指示が続いた大規模林野火災時の状況などを聞いた。
このうち、橋本さんは中学・高校時代のボランティア活動や救急救命士を目指した思いなどを振り返り、震災復興学習に携わる今野さんは、中学生以下が震災発災後に生まれた年代となっている中、当時の教訓や経験を伝える大切さなどを語った。櫛引美さんらは「津波てんでんこ」の言葉を紹介し、自らの命を守る行動の重要性を伝えた。
意見交換で能登高生は「中高生、高校生にもできるような復興はあるか」「若い人の意見が復興に生かされるのか」「何から手をつけたらいいのか」といった思いを伝えるとともに、東大生や日本航空社員らの考えにも耳を傾けた。対話を通じて、地元のまつりを通じた活性化など、今後、取り組みたい分野がより具体的になった様子の生徒も見られた。
能登高の府中杏里さんは「大槌や大船渡は、自分が思っていた以上に津波の被害が大きいと感じた。対話を通じて、震災の経験を私たちが伝えながら、能登にもっと多くの人が来てもらえる活動をしたいとの思いがより強くなった」と語り、笑顔を見せた。
日本航空の北條聡子さん(25)は「能登高生は復興にかかわりたいと思っていても、心には〝もやもや〟としたものがあるのではないか。地元がどうなってほしいか、自分はどうありたいかといった思いが、岩手に来たことでより言語化されていったように感じた」と話していた。
後半は、大船渡高生らと意見交換。大規模林野火災時における大高生のボランティア活動その他について情報共有しながら、高校生だからこそできる災害支援や、復旧・復興への活動などを探った。






