部活動の地域展開推進へ 市、市教委がビジョン案 10年度の完全移行見据え
令和8年8月7日付 1面
大船渡市と市教育委員会は、市内中学校の部活動の運営を地域のスポーツクラブや文化芸術団体に移行する「地域展開」に向けたビジョン案をまとめた。市は本年度から、運行部における休日の地域展開を先行して実施しており、移行の取り組みは「検討」から「実践・推進」へと新たな局面を迎えている。市と市教委は令和10年度から運動部、文化部の地域クラブへの完全移行を計画しており、取り組みを推し進めるための方向性をまとめたビジョンの年内策定を目指す。(高橋 信)
ビジョン案は3日に市役所で開かれた「市部活動の地域展開ビジョン推進委員会」(委員16人)の初会合で示された。委員長に市教委の小松伸也教育長を互選したあと、案の中身を協議した。
案によると、ビジョンの取り組み期間は、国が定めた「改革実行期間」と同じ令和8年度~13年度の6年間。地域展開への基幹スケジュールとして、本年度は運動部における休日の活動の地域クラブ移行を開始し、10年度から運動部、文化部の平日を含めた全面展開を見据える。
地域クラブの活動時間は、平日2時間程度、休日3時間程度の範囲で、1週間で合計11時間以内とする。休養日は週2日以上(平日1日以上、週末1日以上)に設定する。
市は今年2月、活動の目的、対象、指導体制など七つの要件を満たす団体を地域クラブに認定する独自の制度を創設。7月時点で認定を受けたのは7団体で、中学校の体育館やグラウンドなどの学校施設を優先的に使用できるようルール化する。学校施設使用料の減免を行い、閉校施設の活用も検討する。
同日の会合では、ビジョン案に対する反対意見は出なかった一方で、ビジョンを定めたあとの個別具体的な対策に関しては多方面から注文が相次いだ。「一番の課題はチームが存続できるかどうか。スポ少に入っていない小学6年生に対するPRの場を設けられるよう手だてを考えてほしい」「現時点でどのような認定地域クラブがあるのか分かりにくい。中学1年生や小学6年生が分かるように、現在や今後の状況、部活動やクラブの選択肢を可視化していかねば、前に進まない」などとの声が聞かれた。
市教委事務局の担当者は「ビジョンをベースに個々の課題解決に向けた動きを加速させたい」と答えた。
中学校の部活動は昨今、少子化による部員減とニーズの多様化を背景に、学校単位の存続が困難になっている。国は昨年12月、部活動改革や地域クラブ活動の推進に関する総合的なガイドラインを定め、県も対応方針の策定作業を進めている。
市は令和3年1月、市における部活動の方針を打ち出し、部活動の在り方に関する検討委を設置。段階的に地域展開を進めることとし、今回、同検討委の後継組織として、学校・指導関係者らでつくるビジョン推進委を発足させた。
推進委の次回会合は、10月末以降を予定。委員からの意見などを反映させた同ビジョンの最終案が示され、その後成案化を目指す。
推進委の委員は次の通り。任期は令和10年8月まで。
▽委員長=小松伸也(市教委教育長)▽副委員長=白﨑陽彦(市スポーツ協会事務局長)
▽委員=森田健太郎(市スポーツ推進委員)千葉賀子(市芸術文化協会副会長)菅野裕子(ぷなと音楽団団長)細谷知成(認定地域クラブSun・DreamVolleyBallClub代表)大西元(FCサン・アルタス育成会事務局長)佐藤寛文(陸上競技指導者)大畑美喜男(中学校部活動外部指導者)
葛西大志朗(第一中部活動指導員)村上貴彦(同校校長)坂本有希(大船渡中校長)田畑周哉(東朋中校長)今野誠彦(第一中クラブ育成会)及川慶晃(大船渡中PTA会長)金野昭博(東朋中PTA副会長)






