水道料金 引き上げへ 市が9月使用分から 事業の健全経営目的に
令和8年8月8日付 7面
大船渡市は9月使用(10月検針)分から、水道料金を引き上げて徴収する。一般的な家事用(口径20㍉、月使用水量15立方㍍の場合)は現行の月額3174円から、1年間の激変緩和措置を経て、来年9月使用分から現行比759円(23・9%)増の3933円となる。市水道事業は令和6年度以降赤字が続き、物価高騰による費用増も重なり、経営改善が迫られているため改定に踏み切る。市は市民への料金改定の周知を徹底するとともに、コスト縮減に力を入れるが、今回の値上げで経営の健全化に直結するとはいえず、依然として厳しい環境下で事業を続けていく。(高橋 信)
市の水道料金は、口径(13㍉~250㍉の11区分)と用途(家事用、団体用、営業用など)別に設定している。基本料金は月間10立方㍍まで使用水量に関係なく徴収し、同10立方㍍を超えれば使用水量に応じ、超過料金が発生する仕組み。メーター使用料(口径20㍉の場合266・2円)も支払う必要がある。
9月使用分の平均改定率は19・9%。より公平性の高い口径別料金体系への将来的な移行を見据え、用途間の料金格差を縮小した。見直しに合わせ、メーター使用料を廃止し、基本料金に盛り込む。
値上げ幅が17・5%を超える場合は、2年をかけて段階的に引き上げる方針。その場合の9月使用分から来年8月使用分までの1年間は、改定率17・5%を上限に徴収する激変緩和措置をとる。それ以降は本来の引き上げ率で徴収する。
コスト縮減の取り組みとして建設改良費の見直し、修繕費・人件費の削減を行う。市水道事業経営戦略によると、建設改良費は令和9~13年度で合計約24億2000万円を見込んでいたが、物価高騰などで1・5倍に膨らんだため、後年への工事繰り延べで約21億8000万円に改める。修繕費は年間800万円減、人件費は同1300万円減を目指し、このほかの経費削減策として検針方法の見直しも検討する。
市は令和6年4月、上水道事業と簡易水道事業を統合。上水道は純利益を確保していた一方で、簡易水道は一般会計から多額の繰り入れを措置しても毎年欠損金が生じており、統合後、水道事業の収益的収支は赤字に転落した。令和7年度事業会計決算も前年に続き、損失金を計上する見込みで、水道料金の値上げをしなければ16年度ごろにも資金が底をつき、事業が継続できなくなる事態となっていた。
人口減に伴う給水収益の減少、物価高騰を背景とした費用増、老朽化する水道管・設備の更新など水道事業を取り巻く環境は厳しさを増す中、事業は基本的に水道料金で費用を賄う「独立採算」が求められており、料金を見直すこととした。市民に対して市広報ほかで周知を図っている。
市水道課の新沼秀樹課長は「今回の料金改定は水道施設の更新・耐震化など、将来的に不可欠な投資を継続するための措置。市民にはご負担をかけるが、より効率的な事業運営と経営改善に引き続き取り組みながら、安全で安定した水道水の供給に努める」と話す。
改定前後の水道料金は別掲(改定後は基本料金にメーター使用料を含む)。問い合わせは、同課業務係(℡27・3111内線172)へ。






