三笠丸6隻 サンマ漁へ 出船式で安全と大漁を祈願 水揚げ量本州一奪還への期待も(別写真あり)

▲ 家族らに見送られて大船渡市魚市場を離岸する三笠丸船団

 大船渡市赤崎町の鎌田水産㈱(鎌田仁代表取締役社長)が所有する大型サンマ漁船(199㌧)6隻の「出船式」は8日、大船渡町の同市魚市場で開かれた。同魚市場へのサンマ水揚げ量は昨年、令和元年度以降で最多を記録。昨年以上の大漁と水揚げ量本州一奪還に期待がかかる中、色鮮やかな大漁旗をまとった三笠丸船団は乗組員家族や会社、漁業関係者に盛大に見送られ、大船渡を出港した。(齊藤 拓)


 同社は例年、サンマ漁の解禁に向けて大船渡港を出発する際に出船式を開き、安全と大漁を祈願している。全国さんま棒受網漁業協同組合(全さんま)は昨年と同様、漁の解禁日を公海に限定して8月10日とした。
 同魚市場の岸壁には、「三笠丸」のロゴが入ったシャツでそろえた乗組員が集合。船を背に家族と記念写真を撮るなど、しばしの別れを告げる姿が見られた。
 式では乗組員らに向けて、鎌田代表取締役社長が「おいしいサンマを皆さまに届けるべく、一体となって安全に漁を行ってほしい」と、渕上清市長が「市魚市場の水揚げ高の約半分はサンマ。魚がとれるということは市経済と市民にとっても心強く、生活の源になる」と、それぞれ激励の言葉を述べた。
 このあと、子どもたちが各船の漁労長6人に花束を贈呈。昨年11月に死去した鎌田水産グループ創業者・鎌田和昭さんが歌った『人生三笠丸』などの曲が流れる中、乗組員が乗船した。
 カラーテープをなびかせて続々と出港する船を、乗組員の家族や漁業関係者が手を振りながら見送った。乗組員も船上から家族の写真を撮るなどして、岸壁を離れるまで別れを惜しんでいた。船団は北海道に寄港後、漁場となる公海へと向かう予定。
 同日の大船渡港は青空から強い日が差した一方、式の前後にはわずかな雨雲から雨も落ち、漁業者からは「これは最高の吉兆だ」といった声が聞かれた。
 第十八三笠丸の髙橋昇司漁労長(67)は「今年は、数量本州一の座を気仙沼から取り戻したい。安全第一で漁を行い、笑顔で港に戻ってくる」と話した。
 国立研究開発法人水産研究・教育機構水産資源研究所が発表したサンマ長期漁海況予報によると、今月から9月までは日本近海から離れた公海を中心に漁場が形成される。今年の来遊量や魚体は、復調の兆しが見えた昨年の水準を下回る予報が出ている。
 全さんまによると、昨年の全国の総水揚げ数量は6万4738㌧(前年比67%増)、金額は214億6457万円(同19%増)で、ともに令和元年度以降で最多だった。
 同魚市場は昨年度、数量が8437㌧(前年度比49%増)と元年度以降最多となったものの、本州一の座は気仙沼に譲る結果に。一方、金額は26億669万円(同6%減)となり、14年連続で本州トップを維持した。