デザイン刷新で売上向上 町「商品アップデート事業」 住田観光開発㈱の取り組みに手応え
令和8年8月11日付 8面
住田町は、町ならではの商品の価値を洗練させる「商品アップデートプロジェクト事業」を展開している。同事業を活用し、同町の住田観光開発㈱(松田栄代表取締役)は、自社商品のレトルトカレー「ありすぽ~くカレー」のパッケージデザインを刷新。6月から町内の店頭に並べ、売り上げが上がったことから手応えを得ている。町では「取り組みによってより良いものを作り、住田の知名度アップなどにつなげたい」と見据える。(阿部仁志)
同事業は、県から「地域経営推進費」の採択を受けて昨年度から実施。町内事業者の商品の新規顧客獲得や販路拡大を図り、特産品やお土産品などの魅力向上を後押しするもの。
活用を呼びかけたところ、世田米の特産品販売センター「イーガストすみた」に参画する事業所のうち、住田観光開発が手を挙げた。町内店舗やふるさと納税返礼品などに納品する「ありすぽ~くカレー」のパッケージを刷新することとし、事業を受託する同町のマーケティング支援事業所・㈱ビーアイシーピー・ハナレ(伊藤美希子代表取締役)が、デザイナーを手配して制作を進めた。
新しいパッケージは、辛口は赤、中辛は黄を基調にした鮮やかな配色が目を引く。手書き風の文字で、同町の㈲ありす畜産が生産するブランド豚「ありすぽ~く」が〝ごろごろ〟入っている特徴を前面に打ち出した。文言に「なんだもねぇ うんめぁ(とんでもなくおいしい)」といった方言も取り入れ、他地域の商品との差別化を演出した。
裏側には、調理方法や注意書きのほか、住田町の位置が分かる地図やブランド豚の説明文を添えた。
ありすぽ~くは、生鮮や冷凍加工品としての販売がメインで鮮度管理の都合で取り扱いが限られることから、賞味期限が長く常温保管可能なレトルト商品の強みを生かし、住田の物産をPRする機会につなげる。
新パッケージの商品は、6月から、イーガストすみたや世田米の道の駅種山ヶ原・ぽらん、上有住の滝観洞観光センターなどで販売。住田観光開発によると、「以前よりもお客さまに商品を手に取ってもらえている」といい、デザイン刷新後の売り上げは約2カ月でおよそ2倍に上昇。商品の製造ペースも上がっているという。
商品そのものの質だけでなく、パッケージデザインも重要であることを再認識した形となり、松田代表取締役は「予想以上の反響があって驚いている。また商品をブラッシュアップする機会があれば、積極的に取り組みたい」とする。
今回の取り組みは、既存の商品を磨き上げるだけでなく、地元人材のスキルアップにもつながる事例も生んだ。
デザイン制作にあたり、住田観光開発が指定管理を担う同センターのスタッフ・上野明日香さん(33)=同町上有住=は、「デザインに興味があり、勉強させてもらいたい」と取り組みに関わった。自身が考えたデザイン案をプロのデザイナーに見せて指摘をもらったり、デザインの方向性の決め方やロゴ、文字の配置の意味などを知り、多くの学びを得た。
上野さんは「プロのデザイナーから話を聞ける、貴重な機会をいただいた。商品の売り上げ向上につなげられるよう、もっとデザインについて研究してみたい」と意欲を見せる。
町農林商工課の菅野享一副主幹は「事業者が新しい知識やアイデアを取り込むことで、お客さんに好まれるような商品が生まれ、町全体の知名度アップにつながっていくといい」と見据える。






