2026大船渡市長選/現職・渕上氏が立候補表明 市内で記者会見 「元気で、活気あるまちに」

▲ 11月の市長選に、再選を目指して立候補を表明した渕上氏

 大船渡市長の渕上清氏(68)=盛町=は12日、市内で記者会見を開き、任期満了に伴う市長選(11月15日告示、22日投開票)に立候補すると正式に表明した。現在1期目の渕上氏は昨年2月に発生した大規模林野火災からの復旧・復興、少子高齢化や人口減少への対策、疲弊した地域経済の立て直しに当たるため「2期目を担わせてほしい」と述べ、「市民とともに元気で、活気のあるまちにしていく」と決意を語った。今市長選で出馬を表明したのは渕上氏が初めて。ほかに立候補に向けた動きは現時点で表面化しておらず、選挙戦となるか注目が集まる。(高橋 信)


 記者会見には、渕上氏と同氏後援会の今野武義会長(75)らが出席。冒頭、渕上氏は「1期4年目を迎え、多くの方々の支援に改めて感謝している」と周囲への思いを述べたうえ、「林野火災の復旧・復興、少子高齢化、人口減少、燃油価格高騰などによる経済の疲弊を支え、市民とともに元気で、活気のあるまちにしていく」と決意を表した。
 市長選への出馬を決めた理由として「(火災で被災した)林野の再生が緒に就いたばかり。しっかりと仕上げねばならない。それが一番の理由だ」と答えた。無所属で臨み、政党への推薦要請はしない。
 今年7月ごろに出馬の意思を固め、後援会の関係者に伝えたという。正式な表明がこの時期となった理由については、今後、市議会9月定例会や次年度の予算編成期に入ることを見据え、「私が目指したいものを話し合ううえで、責任ある立場で職員と接していくことが必要という思いで、本日の発表になった」と説明した。
 1期目の成果と課題を問われた渕上氏は、前面に押し出して展開してきた「経済の振興」と「子育て支援」に関する取り組みを成果として紹介。課題には、地区ごとのコミュニティーの在り方が変容し、通院・買い物の移動手段確保など地域が抱える困り事も多様化していることを挙げ、「各地区にいっそう合った形でサポートするため、もっと地域に入っていきたい。それが自分のカラーの出しどころとも思っている」と語った。
 林野火災からの復旧・復興に関してはなりわいの再生、住宅の再建、森林再生の観点から現状と展望を述べ、「さらに前に進めていく」と力を込めた。
 人口減少の問題にも危機感を示し、「交流人口・関係人口の拡大はもちろん展開していくが、その前にこの地に住んでいる市民が安心し、幸せを実感して生活できるまちにしていくことが重要。引き続き『選択と集中』を進めながら、2期目は『選択と集中』の先の在り方を地区に入って対話していきたい」と見据えた。選挙公約は今後具体的に検討していくとし、「執行権を持ち、責任が大きい。より実現性の高いものを打ち出したい」と述べた。
 渕上氏は盛町生まれ。平成22年の市議補選で初当選し、連続4選。令和2~3年には市議会議長を務めた。
 同4年11月の前回市長選は、当時の現職が勇退した中で行われ、市制施行以降、史上最多となる新人5人が出馬する大混戦となった。渕上氏は▽地元の産業を強く元気に▽若者の活躍でみんな笑顔に▽支え合ってみんな幸せに──からなる「未来への3本柱」を打ち出し、初当選を飾った。
 今市長選を巡っては、同氏の後援会が今年3月、再選出馬を要請。同氏は毎月行われる市定例記者会見などで態度を明らかにしてこなかったが、告示約3カ月を前に意思を表明した。
 今市長選は12月2日(水)の任期満了に伴うもの。昭和27年の市制施行から数えると通算21回目で、平成13年の旧三陸町との合併後は7回目、東日本大震災後は4回目となる。
 市によると、市有権者数(18歳以上)は6月1日現在、2万7455人(男1万3050人、女1万4405人)。前回選の投票当日有権者2万9301人と比べ、1846人少ない。