「マイナス影響」顕著に 大船渡商議所会員アンケート 中東情勢受け見通し厳しく
令和8年8月14日付 1面
大船渡商工会議所と大船渡市は、中東情勢の不安定化に伴う事業活動への影響把握に向け、商議所会員事業所に実施したアンケート調査の結果をまとめた。「大きなマイナスの影響」「多少のマイナスの影響」と答えた割合は70%を超えたほか、40%超が「現在と同水準の厳しい状況が、当面(1年程度)継続する見込み」ととらえる状況が明らかになった。賃上げ(定期昇給、ベースアップ等)については、「本年度は実施しない」との回答が40%を超えた。(佐藤 壮)
今年に入り、中東情勢の影響で、各事業者は原油価格の変動や物流の停滞、それに伴う化学製品や各種調達遅延への対応などに追われている。商議所は市と連携し、市内事業者における原油・原材料価格高騰の影響や賃上げへの対応状況、価格転嫁の実態などを把握するため、アンケート調査に乗り出した。コロナ禍以降、定期的に実施している物価高騰アンケートとは別の調査となる。
市内会員の1504事業所が対象。6~7月にかけ、調査票の郵送やファクス、持参で受け付けたほか、インターネットの専用フォームでも対応し、415事業所(27・5%)から回答を得た。
中東情勢に伴う経営や事業への影響に関する回答は別掲の通り。「大きなマイナスの影響が出ている」と回答した割合を業種別で見ると、運輸業が60%で最も高く、以下、農林漁業46・7%、建設業39・2%と続いた。
具体的な影響に関しては、最大3項目まで選択可とした。「原材料、業務用資材等の仕入価格高騰によるコスト上昇」が74%、「燃料・ガソリン価格高騰によるコスト上昇」が65・1%、「物流費・運賃の高騰に伴う、発送・配送コストの負担増」が29・4%となった。ナフサ由来の製品調達に伴う「原材料・業務用資材等の供給停滞による設備稼働率の低下・事業活動停滞」「納期遅延や受注制限の発生に伴う、受注機会の損失・売上高の減少」はそれぞれ14・7%だった。
コスト上昇に伴う価格転嫁の状況は単独回答とし、「一部転嫁できている(3~6割程度)」「ほとんど転嫁できていない(3割未満)」がともに28・9%。「おおむね転嫁できている(7~9割程度)」は20%、「まったく転嫁できていない」は16・6%で、「すべて転嫁できている」は4・3%にとどまった。
今後の事業活動の見通しも別掲の通り。「さらに悪化」「当面継続」「見通しが立たない」を合わせると8割近くに上った。「さらに悪化」を業種別に見ると、農林漁業が33・3%と最多で、宿泊・飲食業28・6%、サービス業25・7%が続いた。
アンケートでは、定期昇給やベースアップによる賃上げ状況も尋ねた。最多は「本年度は実施しない」で42・7%。「4月に実施した」が26・5%、「今後、実施する予定」は14・7%、「5~6月に実施した」は5・3%だった。
賃上げを「実施した」「予定」と回答した事業所には、業績状況も質問。「横ばい」「改善していない」状況で賃上げを実施したのは、それぞれ42%。業績の向上・改善を受けての賃上げは13・4%となった。
さらに、賃上げ実施の理由を最大2項目まで聞いたところ「従業員の生活水準の維持・下支え」が61・1%、「最低賃金の改定に伴う法的基準への適応」が40・9%、「新規人材の採用・確保、既存社員の定着・離職防止」が32・1%。賃上げ率は「昨年度並み」が最多で41%だった。
アンケート結果は、商議所ホームページでも公表。商議所や市では、各種支援策への反映などを見据える。





