2026大船渡市長選/出馬の構え 現職のみ 告示まで残り3カ月 市内に漂う無風ムード
令和8年8月15日付 1面
任期満了に伴う大船渡市長選は、11月15日(日)の告示まで残り3カ月となった。立候補を予定しているのは、1期目の現職・渕上清氏(68)=盛町=の1人のみ。新人5人による激戦が繰り広げられた4年前の前回選ではこの時期、すでに4人が出馬を表明していたが、一転して今回は現職を除いて表だった動きが見られず、無風ムードが漂う。昨年2月に発生した大規模林野火災からの復旧・復興、人口減少を見据えた持続的なまちづくりなど、次の任期を担う首長には困難な市政運営のかじ取りが迫られる。今後、選挙の構図がどう変化するのか注目が集まる。(高橋 信)

渕上 清氏
今市長選に関して態度を明かさずにいた渕上氏は今月12日、記者会見を開き、立候補を正式に表明。「市民が安心し、幸せを実感して生活できるまちにしていきたい」と語った。
無所属で臨み、政党推薦は求めない。新人として挑んだ前回選と異なり、公務と並行しての活動が見込まれ、渕上氏は「公務優先がもちろんのことだ。ただちょっとした時間を見つけながら、市民との対話を大切にしていきたい」と見据える。
渕上氏の後援会(今野武義会長)は前回選と同様、市内に12支部を張り巡らせ、公務に追われる同氏を全面的にバックアップする。記者会見での正式表明を受け、今後、後援会活動を本格化させていく。
今野会長(75)は「市長が公務により動くのが難しいということを前提にしっかりと支え、再選を目指す」と力を込める。
選挙公約は今後、具体的に検討していく。現任期では「経済の振興」と「子育て支援」を柱に展開し、サン・リアショッピングセンター内への市こども家庭センター「DACCO(だっこ)」開設などを実現させた。
前回選は3期12年務め、東日本大震災からの復旧・復興を推し進めた当時の現職が勇退。まちの新たなリーダーを決める節目となり、立候補表明の動きは選挙の約1年前の令和3年12月からみられ、結果、昭和27年の市制施行以来最多となる新人5人による争いとなった。
今回はもともと再選出馬が有力視されていた現職の渕上氏が立候補を表明し、焦点は対抗馬が現れるかどうかに移ったものの、現段階でその動きは表面化していない。この時期すでに4人が出馬の意思を示し、あいさつ回りや街頭活動などの前哨戦が展開されていた前回選と比べると盛り上がりに欠ける。
渕上氏を支持する関係者の一人は、市内に広がる「無風」の雰囲気に対し、「大規模林野火災があり、被災地の復旧・復興を推し進めるため市政の安定を願う一部市民の意向も反映されているのではないか」と私見を述べる一方で、「毎回、激戦が繰り広げられてきたまち。先のことはどうなるか全く分からない」と警戒を強める。
前回選で、渕上氏とは別の新人立候補者を支援した市議は「前回は新市長が誕生する選挙となったため、5人という過去にない人数の争いとなったが、今回はまた状況が異なり、今のところ静かな雰囲気だ。選挙を通じて立候補者が政策をぶつけ合うことは、地域経済活性化などにもつながる。そのような意味でも選挙戦となることは非常に重要なこと」と話す。
今市長選は12月2日(水)の任期満了に伴うもので、市制施行から数えると通算21回目。無投票に終わったのは昭和55年を最後に3度しかなく、40年以上にわたり選挙戦が繰り広げられてきた。
渕上市政への評価や、大規模林野火災からの復旧・復興への取り組み、人口減少対策などが主な争点になると見込まれ、市が直面する課題を市民が考える機会となる選挙戦が実現するか注目される。
市によると、市有権者数(18歳以上)は6月1日現在、2万7455人(男1万3050人、女1万4405人)。前回選の投票当日有権者2万9301人と比べると、1846人少ない。






