7年度の3歳虫歯率 平成13年度以降最小に 4・9%に改善 初の1桁 県内ワースト乗り越え 市などの地道な取り組み実る
令和8年8月19日付 7面
大船渡市の3歳児健診における令和7年度虫歯有病者率が4・9%となり、平成13年度以降で最少まで改善されたことが市への取材で分かった。同市では14、15年度に虫歯を持つ3歳児の割合が6割を超え、それ以降も県内自治体の中でワーストとなる年があるなど深刻な状況だった。近年は行政や歯科医療従事者、家庭などの地道な取り組みを背景に年を追うごとに改善し、令和7年度、初めて1桁台に低下した。関係者は継続的な対策が成果として実ったことを喜び合い、虫歯ゼロへの思いを新たにする。(高橋 信)

日中の歯磨きを徹底している大船渡保育園の3歳児クラス
「これまでで一番うれしい『歯のかわら版』になった」
県歯科医師会理事で、三陸町綾里にある市国保歯科診療所長の歯科医師・熊谷優志さん(56)がそう語り、満面の笑みを浮かべる。市が定期発行する「歯のかわら版」の編集を毎回担い、直近の83号(6月発行)に3歳児の虫歯有病者率が7年度、前年度比9・1㌽減の4・9%まで減少した話題を載せた。
市によると、3歳児の虫歯有病者率は旧三陸町と合併した平成13年度以降、62・1%(15年度)をピークに高水準で推移。28年度の42・3%は、県平均(21・4%)の倍以上で、県内ワーストとなり、対策の強化が急務となっていた。
この状況を受け、市は既存事業である生後7カ月児健康相談と、1歳6カ月児健診の間の空白期間に1歳児健康相談を追加するなど、段階的に歯科保健事業を拡充。希望者が無料で受けられるフッ素塗布は、従来の1歳6カ月と3歳6カ月の集団健診時のほか、昨年度2歳6カ月児の個別健診時も加えた。
3歳児の有病者率は令和元年度に初めて2割を下回り、それ以降はほぼ毎年改善。7年度は初めて1割を切った。
市こども家庭センターの佐藤由美子所長補佐は「歯科医師団などの協力のもと改善につなげられて本当にうれしい。小学校入学以降も虫歯にならないよう今後も関係機関と協力、連携していく」と見据える。
熊谷さんによると、家庭でも歯と口の健康への意識は高まっており、改善の背景にはこども園・幼稚園・保育園における日中の歯磨き励行の効果も大きいという。大船渡保育園(大船渡町)では3歳児クラスも欠かさず実施しており、同クラスの佐々木穂佳ちゃん(3)は「みんなで歯磨きを頑張っています」と胸を張る。
熊谷さんは「少子化のため年ごとの増減はあるだろうが、全国平均、全県平均を下回るような状態が続けば『はなまる』だ。気仙地域の子どもたちに虫歯をつくらない文化が定着するよう、今後もおやつを食べるときの注意事項や歯磨き習慣の重要性などを啓発していきたい」と前を向く。





