絆深める時間に笑顔 名古屋市の中学2年生 陸前高田訪問し交流(別写真あり)
令和8年8月19日付 6面
陸前高田市と愛知県名古屋市の中学2年生による絆交流事業は17、18の両日、陸前高田市内で行われた。東日本大震災をきっかけに両市教委が締結した絆協定に基づく取り組みで、今年で14年目を迎えた。両市の生徒らは、食事やマリンレジャーなどの時間をともにして、陸前高田の豊かな自然を満喫したほか、陸前高田市内の生徒の案内で震災伝承施設などを巡り、震災の被害状況や復興の歩みに触れ、絆交流を続ける意義を再確認した。(菅野弘大)

陸前高田の海でSUP体験なども楽しんだ
両市教委は、震災発生翌年の平成24年に絆協定を、両市は26年に友好都市協定をそれぞれ締結。絆交流は毎年度実施されており、夏は名古屋市の中学生が陸前高田市を、冬は陸前高田市の中学生が名古屋市を訪問し、相互に交流を深めている。
今回は陸前高田市15人、名古屋市37人の中学2年生が参加。17日は高田町の奇跡の一本松ホールで歓迎式を開き、高田第一、高田東両中の生徒らが、手製の横断幕などを掲げ、到着した名古屋市の生徒たちや関係者らを盛大に迎え入れた。
式では、佐々木拓市長が「名古屋市の皆さんのご支援がなければ、今の陸前高田市はなかったと思っている。絆交流での新しい出会いと、そこから生まれる温かい交流を続けていきたい。皆さんのことを心から応援し、愛し、大切に思う陸前高田市民がいるということを胸にとどめてもらえれば」とあいさつ。地元内外のミュージシャンが制作した同事業のテーマソング『未来への翼』を生徒全員で合唱し、心を重ね合わせた。
式後は、陸前高田市高田町出身で二戸保健所に勤務する保健師・佐藤舞さん(28)が「人と地域をつなぐ経験~東日本大震災から15年~」と題して講演。震災で被災した陸前高田市に対する名古屋市の「まるごと支援」の一環で、名古屋市立大に設けられた「陸前高田市推薦枠」で同大看護学部に入学し、保健師として活躍する佐藤さんは、震災当日の様子や名古屋市の人々との関わり、現在の仕事につながっていることを振り返り、「名古屋市の支援のおかげで、よりよい環境で看護を学ぶことができ、ありがたく感じている。震災がきっかけではあるが、陸前高田、名古屋両市のつながりが15年たっても続いているのはすごいこと。この縁を次につないでいくのは皆さん。ぜひこの縁を大切にしてほしい」と呼びかけた。
18日は、陸前高田市の生徒らが案内役となり、東日本大震災津波伝承館をはじめとした高田松原津波復興祈念公園内を見学。多くの観光客が訪れる奇跡の一本松、震災後に植えられたマツが成長する高田松原などを巡り、津波の脅威と復興に向けて歩み続けた人々の力強さを伝えた。
米崎町の高田東中での給食交流会で昼食を取り、午後は広田町の石浜海岸でSUP(スタンドアップパドルボード)や磯遊びも楽しんだ生徒ら。2日間の交流ですっかり打ち解けた様子で、新たにできた〝友達〟と笑顔を広げていた。
高田東中の金野柚希さんは「自分たちも名古屋のことを調べていたが、名古屋のみんなも陸前高田について調べてくれていたと知ってうれしかったし、食事の時など、積極的に話しかけてくれて親しみやすかった。お互いがお互いをもっと知ろうとする姿勢が大事だと思う。これからも仲良く、絆交流が長く続いてほしい」と期待を込めた。
名古屋市・富田中の横山明音さんは「震災で被害を受けても、こうして復興して、その様子を伝え残しているすてきなまちだと思った。住む場所は違うけど、同じ学年で友達。後輩たちに『(絆交流は)楽しいよ』と伝え、ぜひ参加してもらいたい」と願った。






