育児と生活のイメージ共有 未就学児親子向け移住体験プログラム 本年度から運用本格化 幅広いニーズ対応も見据え

▲ 本年度から本格的な運用が始まった未就学児親子向け移住体験プログラムを満喫したパパロさん一家(奥)

 陸前高田市は今月7~9日の3日間、未就学児を持つ近隣市町外の親子を対象とした2泊3日の移住体験プログラムを実施した。昨年度、初めて親子を対象に試験的に企画し、参加者や受け入れた地域の保育施設から好評の声が寄せられたのを受け、本年度から本格的な運用に移行。今後は参加者の家族構成なども踏まえた幅広いニーズへの対応も見据える。同プログラムは10月にも行われる。(菅野弘大)

 

 今回移住体験したのは、宮城県利府町のパパロ・マイケルさん(36)・玲さん(36)夫妻と、長女のソフィアちゃん(6)、次女のエマちゃん(4)、長男のマテオちゃん(2)、三女のオリビアちゃん(0)。今年3月にオーストラリアから親戚がいる宮城県に移住し、日本国内で長期的に住む場所を決めたいとプログラムに申し込んだ。
 パパロさん一家は7日に陸前高田入り。地元の飲食店で夕食を取り、夜は高田町の「うごく七夕」と気仙町今泉地区の「けんか七夕」を見学した。
 8日の午前中は、プログラムに協力する小友保育所(熊谷公子所長)にソフィアちゃん、エマちゃん、マテオちゃんを預け、両親はオリビアちゃんを抱いて、小友町の箱根山にある気仙大工左官伝承館などを訪ねた。子ども3人を迎えに行き、午後は高田松原海水浴場に移動。「手ぶらでビーチBBQ」のエリアでランチ交流会として、先輩移住者家族らとの食事を楽しんだほか、海水浴も満喫した。
 マイケルさんは「家族全員、海が大好き。高田松原には初めて来たが、海も空も青く、風が涼しい。山もあってとても良い場所」と笑顔。玲さんは「長女が小学校に入学する前に住む場所を決めたいと思っていて、家族で海のそばに住みたいと話している。陸前高田は人が優しく、景色もきれいでのんびりできる」と話し、陸前高田で〝子育てしながら暮らす〟イメージを膨らませた。
 同市では、市から委託を受けるNPO法人高田暮舎が移住定住事業のプログラムをコーディネート。これまでは、地方移住に関心を持つ個人向けのプログラムを手がけており、昨年度は、都市部に住む家族が地方に短期滞在し、子どもは現地の保育施設に通う「保育留学(保育園留学)」のニーズ調査の一環で、初めて親子をターゲットに実施した。昨年度参加した親子をはじめ、受け入れた小友保育所からも「在園児にとって良い刺激になる」などと好評の声があったことから、本年度から本格実施することとし、「保育所体験」をプログラムの目玉に据えて参加者を募集した。
 高田暮舎移住コンシェルジュの石田裕夏さん(39)も、長男が未就学児の時に、夫と家族3人で京都府から同市に移り住んだ。「家族で移住と考えた時、新しい環境で子どもがやっていけるかが一番心配だった。移住先で子どもがなじめるか、このプログラムで少しでも体験できたら、次のステップに進む後押しになるのではないか」と語り、「現在は未就学児の保育体験でプログラムを組んでいるが、小学生のきょうだいがいる場合もある。小学校や学童と連携して、保育所と同じような体験ができたらいい」と構想を思い描く。