金額2・1億円で過去最高に 企業版ふるさと納税 市の本年度7月末実績 林野火災寄付は前年同月比減
令和8年8月21日付 1面
大船渡市は、7月末時点における本年度企業版ふるさと納税の受け入れ実績をまとめた。寄付の数は15件で前年同月を22件(59・5%)下回ったが、金額は2億1080万円と前年同月の約3・6倍に伸び、すでに年間実績の過去最高を更新した。一度に2億円の寄付があったのが要因。一方で、昨年2月に発生した大規模林野火災の復旧・復興事業を後押しする寄付は件数・金額ともに減り、昨年度より落ち着いた傾向にある。市は寄付企業とのパートナーシップ構築を図る独自の「市ふるさと企業アンバサダー制度」を導入しており、各企業とのつながりを大切にしながら、受け入れ拡大に向けたPRなどにも力を入れている。
本年度の林野火災復旧・復興事業に対する寄付は7月末現在、10件計840万円。前年同月における同事業の寄付は34件計5740万円で、件数で70・6%減、金額で85・4%減となっている。
残りは移住・定住促進事業、おおふなとAI共創事業、大船渡アスリート応援団事業、市こども家庭センター運営事業、水産・食産業の競争力強化事業の各1件。
このうち、水産・食産業の競争力強化事業は㈱山王プリント(本社・東京都)によるもので、同社関係者が北里大学水産学部(現・海洋生命科学部)に在籍していた縁から、4月に2億円を寄付した。
企業版ふるさと納税は、国の認定を受けた地方自治体の地方創生プロジェクトに対し、企業が寄付を行えば、寄付額の最大約9割の法人関係税の軽減効果が受けられる制度。
市は令和4年度に導入し、年間実績は4年度11件110万円、5年度15件540万円と推移。6年度は7年2月に大規模林野火災に見舞われ、発災後の約1カ月の間に寄付が続々と寄せられ、97件1億5069万円と、前年の約28倍に増えた。
7年度は70件1億1578万円で、2年連続で1億円台に乗せた。本年度は八つの事業で寄付を募集している。すでに初の2億円を突破しているものの、県内外における激甚災害の発生などを背景に林野火災復旧・復興事業への寄付は前年よりも減少している。
こうした中、市は寄付企業との連携の絆を深めようと、ふるさと企業アンバサダー制度を運用。企業に1年ごとに委嘱し、記念盾、オリジナルステッカーを交付している。
市担当者が直接感謝を伝えようと、7年度は企業訪問を一部展開し、本年度も実施。寄付を機につながった関係性の維持に取り組んでいる。
市企画調整課の担当者は「大規模林野火災発生後、当市には企業版ふるさと納税制度を活用した温かな支援が数多く寄せられており、企業とのつながりを大事にしていきたい。厳しい財政事情の中、寄付は貴重な財源にもなる。市ホームページなどで寄付のメリットを明確に発信しながら受け入れの拡大を目指し、支援を原資により良いまちづくりにつなげていきたい」と話す。






